と
DOOR (1988) | ★★★★☆ |
東京心霊ナイト アイドル恐怖伝説(2011) | ☆☆☆☆☆ |
トイレの花子さん 新劇場版(2013) | ★★★☆☆ |
東京ゾンビ(2005) | ☆☆☆☆☆ |
東京伝説 恐怖の人間地獄(2014) | ★★★☆☆ |
東京伝説 歪んだ異形都市(2014) | ★★★☆☆ |
東京分裂ガールズ(2011) | ★★☆☆☆ |
トーク・トゥ・ザ・デッド(2013) | ★★★☆☆ |
都市霊伝説 クロイオンナ (2012) [シリーズ] | ★★★☆☆ |
都市霊伝説 心霊工場 (2010) [シリーズ] | ★★★☆☆ |
都市霊伝説 幽子 (2011) [シリーズ] | ★★☆☆☆ |
都市霊伝説 霊視学園 | ★★☆☆☆ |
富江 最終章 -禁断の果実-(2002) [シリーズ] | ★★★☆☆ |
富江 vs 富江(2007) [シリーズ] | ★☆☆☆☆ |
トラウマ/R SOLID (2015) [シリーズ] | ★★☆☆☆ |
トラウマ/R PSYCHO (2015) [シリーズ] | ★☆☆☆☆ |
トリハダ ‐劇場版‐ (2012) | ★★★☆☆ |
トリハダ ‐劇場版2‐ (2014) | ★★★☆☆ |
トワイライトシンドローム デッドゴーランド (2008) | ★★★☆☆ |
トワイライトシンドローム デッドクルーズ (2008) | ★☆☆☆☆ |
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DOOR
(1988年公開 高橋伴明監督) ★★★★☆《2017-07-18》
セールスマンに脅かされる主婦の恐怖を描く。都会の高層マンションに暮らす靖子は夫と息子の3人家族。ある日、かねてから神経質になっていたセールスマンの勧誘を断ろうとして…。
(Amazon)
セールスを追い返した際のいざこざが元で主婦を襲う狂気。公開した時代にはまだストーカーという言葉が普及していなかった頃……なはずなので、警察や夫なども危機感が無い。そりゃ当時から当然、そういう事件というかストーカー被害はあったのだろうけれど。
1988年の映画だけあって、さすがに今見るととても時代を感じる。設定的には裕福層の家庭っぽいんだけど、30年も経っているいまでは別の国の世界に見える。
一方で「規制の緩いこの時代だから」というべきか、後半はかなりリアルなグロテスクシーンがある。ホラー的にも構図的にも驚く部分もあるし、オチも結構黒くてよく出来ている。ストーカーが入り込んでくるシーンが、「シャイニング(1980)」のあの名シーンっぽいのには笑ったが(本作でもバスルームなので多分意識している)。
ただ話としては単純なのと、序盤がちょっと退屈なのがマイナス点。それとOPの音楽がいいと思ったのだが、本編でもこれが何度も繰り返しで流れてるのはちょっと食傷気味になってしまった。
トイレの花子さん 新劇場版
(2013年公開 山田雅史監督) ★★★☆☆《2017-07-31》
家庭の事情で、都会から母親の実家である田舎に引っ越してきた長澤さよ。佐伯真帆という心優しい少女と仲良くなるが、真帆は木下恵子らクラスのいじめられっ子だった。しかし、真帆は幽霊が出ると噂される学校の女子トイレで謎の死を遂げ…。
(Amazon)
「トイレの花子さん」という古典都市伝説をテーマに、伝奇ものっぽい雰囲気漂う田舎が舞台のホラー映画。
といっても本作の「トイレの花子さん」は都市伝説ベースというよりは、本作オリジナルの過去にいたある人物で、やや詳細が異なっている。
田舎故の閉鎖的な人々と陰湿ないじめに、息が詰まりそうになる閉塞感。主人公は家族にもなんらかの問題があるようなので、にっちもさっちも行かない。本当に気が滅入るようなシーンが延々と流される。これはかなり個人的な理由ではあるが、とある人物の遺品を整理するシーンはだいぶキツかった。
古い校舎といい全体的に不気味な画面作りができているし、田舎の景色もどこか嫌な感じで、よくこんな風景の土地があったなという気がする。
決して悪い作品ではないし、ある謎を解明していく結構凝ったシナリオになってはいて途中までは十分楽しめたが、ラストあたりでやや話の展開に不明瞭な部分が出てきてしまっているのがマイナスか。本当にに惜しい。
おっ、めっちゃどうでもいいが、このいじめられっこの兄『都市霊伝説 幽子』の主人公やん(この一方的な近所感)。
東京心霊ナイト アイドル恐怖伝説
(2011年公開 MizuneT監督) ☆☆☆☆☆《2015-09-02》
怖いけど可愛いをコンセプトとした心霊ドキュメンタリー×美少女ドラマ!
(GyaO)
心霊番組のフェイクドキュメンタリー。かなり安っぽい感じの作り。
呪信JUSIN
芸能活動をしている小田あさ美のブログに、高校卒業後友人から奇妙な書き込みがあったという。
環境音がうるさすぎて、演者の声が聞こえないシーンが多すぎる。まともな機材を本当に使ってないなという感じ。ほんの時々インパクトのある映像は流れるのだが、いかんせん何をやってるのかがカメラのブレでわかりづらすぎる。
オチや途中の伏線というか「違和感」に関してもなにかあるようなのだけど、正直意味がわからない。
心霊少女 ゆうれい子
先のものとは一変して、なんか幽霊が見えるアイドルをドキュメントする。
……ドキュメントといいつつ、どっちかっていうとイメージビデオに近い。これはもはやドキュメントって体を捨ててるのか、なぜか怪談を語りだすゆうれい子ちゃん。
その後、相談者が現れ、れい子ちゃんに心霊相談をしはじめる。これが本当にグダグダで無意味。墓場ではしゃぐれい子ちゃんしか見どころがない。ラストは急に普通の映画みたいな撮り方しはじめて、もう無茶苦茶。
どちらもホラー的に怖くもなければ、ふざけるにしても中途半端すぎて面白くない。何を撮りたかったのか、とても軸がブレブレで分からない。正直いってかなりひどい出来。これを一時間見るのなら、腹筋でもしていた方が有意義。
東京ゾンビ
(2005年公開 佐藤佐吉監督) ☆☆☆☆☆《2015-08-17》
消火器工場で働くミツオ(哀川翔)とフジオ(浅野忠信)は、柔術をこよなく愛する仲良しコンビ。ある日突然2人の前にゾンビが現れ襲いかかってきた。
(シネマトゥデイ)
ハゲの哀川翔とアフロの浅野忠信というシュールな絵面に、更にゾンビが加わり無茶苦茶である。
シュールもブラックな笑いも決して嫌いな方ではないのだが、この映画は個人的にはまったく合わなかった。
前半はまだよかった(かろうじて哀川翔と浅野忠信の二人のやりとりが見れた)ものの、哀川翔の出番が少なくなる後半はグダグダに拍車がかかりひどい。ギャグがいちいちクドくて、二時間近くは合わない私には苦痛でしかなかった。
感性が合えばまた違ったのかもしれないが……。
東京伝説 恐怖の人間地獄
(2014年公開 千葉誠治監督) ★★★☆☆《2015-09-13》
深夜1時を回ったマンガ喫茶で、個室にこもって漫画に夢中になっている結璃(足立梨花)の携帯に番号非通知で電話がかかってくる(『立ち読み』)。片田舎のガソリンスタンドでふと気配を感じると、汚いつなぎ姿の男がスパナを手にしていた(『エンスト』)。就職活動中の奈美(真凛)が公園のベンチで休憩していると、見ず知らずの男性が突然首にネックレスを掛け……(『ネックレス』)。
(シネマトゥデイ)
原作が平山夢明の同名小説。イントロのタイトルからして怖い。
一話 立ち読み
まんが喫茶の個室に入ったら、なぜか非通知の着信が来て……。
二話 エンスト
古びたガソリンスタンドに来た女性が……。
三話 ネックレス
就活生の女性は、公園でけん玉をもった少女と出会う……。
四話 夜道
ある女性が夜道をひとり歩いていると、男が倒れているのに遭遇する……。
五話 食べてはいけない
デリヘルの先で待っていた客は……。
四話や五話のように噴き出しそうなネタもあるが、どれもかなり頭のおかしい登場人物がメインの恐怖となっている。幽霊とか呪いのようなホラーではない。
まんが喫茶、ガソリンスタンド、公園といったようにワンシチュエーションものの短編作品。そんな身近な空間を、狂った登場人物を配することで上手く「異界」にすり変えている。
地味な演出だが、BGMが特別な時以外ないなど、「なにが起きるのだろう」「なにを起こすのだろう」という不安を掻き立てるのもよい。
惜しむらくは後半になるとちょっと失速すること(理解が追いつかなくなる)。ややダレてきてしまうというか、やりすぎてコメディにすら見えてきてしまう。本当に、最初の一編はなかなか怖かったのだけど。
また、本作の五話にはある種のグロ的な嫌悪表現があるのでその点に注意。
東京伝説 歪んだ異形都市
(2014年公開 千葉誠治監督) ★★★☆☆《2015-09-14》
志保美(中島愛里)のもとに、薄汚れたクマのぬいぐるみが送られてくる。誰のものともわからず彼女は捨てるが、何度捨てても自分のもとに戻ってくるぬいぐるみに志保美は恐怖を覚える(『ぬいぐるみ』)。人気のない深い森、ワンボックスカーを走らせていた朋美(小野川晶)はどうしてもトイレに行きたくなり車を降りる。そしてトイレから車に戻ろうとすると、何者かが近づいてきて……(『野外』)。
(シネマトゥデイ)
平山夢明の同名小説を原作とした短編ホラーの実写化二弾。
一話 ぬいぐるみ
女性の元に捨てたはずの奇妙なぬいぐるみが届く……。なんか一歩弱い。
二話 野外
夜の山で用を足そうとした女性が出逢ったのは……。
三話 素振り
深夜のバッティングセンターでストレス発散していた女性が……。
四話 廃墟
廃墟を訪れた若者たちは……。
五話 ホテル
ホテルで車椅子の男性を助けた女性は……。
相変わらず、狂った人間の出てくるホラー。前作であったいやあな感じは本作でも健在ではあるが、何かが少しもの足りない感じはする。
また、度の過ぎた狂気はホラーではなく、コメディになってしまうという悪いところが、またもや出てきてしまっている。後半につれてそれが更に顕著に。三話などは全く怖くないどころか、もはや意味がわからない。
四話では一転してわりとまとも(?)なホラーになる。五話にいたってはなかなかな出来。イカれた人間が織りなすホラーを見たい方にはオススメできるかもしれない。
東京分裂ガールズ
(2011年公開 MizuneT監督) ★★☆☆☆《2015-09-03》
2人の少女『てるま&ルイーズ』は、プロの漫画家を目指し共同生活を送っていた。2人はいつでも一緒……無二の親友だった。ある日、才能豊かで天真爛漫な“ルイーズ”は何とかプロとしてデビューするために、ある計画を“てるま”に持ちかける。しかし、“てるま”はその提案に反対。二人の間に激しい口論が起こった。怒って部屋を飛び出す“ルイーズ”……そして運命の7:35……。路上を通り過ぎるバスに彼女は轢かれた。その瞬間から、2人の少女の時間が奇妙に狂いだしていく……。斬新ストーリーと深みのあるミステリーが繰り広げられるMIZUNET-TV渾身のミステリー・ホラー!
(GyaO)
基本的に低予算。バスに轢かれるシーンも、「走ってるバスを(多分勝手に)撮る」→「キキーッと音を入れる」→「倒れる少女」と、そんな感じ。こういうのを見ると、「撮りたい」と思ったシーンを予算の都合で満足にとれないのって辛いなぁとひしひしと感じる。
ナレーションの声はすごく可愛い。富沢恵莉ちゃんという方らしい(ちゃん付けしたが、あとで調べたら年上だった……)。結構話の筋はナレーションで語ってくれるので、ラジオドラマでも良かったような気がする……そのくらい声がいい。
漫画家を目指してるという、原作担当の片方の女がとにかくクズすぎて見てられない。死ぬのはそっちのほうなので、まあいいけれど。
シナリオ。演出やらカメラはともかく、同監督の「東京心霊ナイト アイドル恐怖伝説」や「女子高生ミステリーサークル 身代わり人形アリア」なんかとは比べ物にならないくらいにはまともというか、面白くできてる。「深みがある」「ミステリー」……かはともかく、結構面白い構図を取っている。ネタバレにならない程度の伏線としては「利き手」が挙げられるだろうか。強いて言えば、深みがあるというか、「どうとでもとれる」のが問題ではあるものの、それなりには見れる内容になっている。
全体的に安っぽく、ストーリーにもかなり強引なところがあるので積極的にはおすすめはできないが、見る機会があれば見てもいいかもしれない。
トーク・トゥ・ザ・デッド
(2013年公開 鶴田法男監督) ★★★☆☆《2017-06-28》
幼い弟を養うためにデリヘル嬢として働いていた百合は、ある日病気と分っていながら弟をひとりにして死なせてしまう。後悔の念に苛まれる百合だったが、死者と話ができるアプリの存在を知り…。
(Amazon)
家のテーブルに「さとしくん」と書かれた誕生ケーキが置かれており、背後から「お姉ちゃん……」と、死んだ弟の呼ぶ声がする。
……そんな不安になるようなシーンから始まる、「死者と話せるアプリ」をめぐるホラー映画。
怪異に巻き込まれる主人公のデリヘル嬢・百合を主軸に、並行してそのアプリを追う雑誌記者の視点が流される。
本作はホラー映画ではあるものの、一番最初に少し怖がらせてから中盤までは「死者と話せるアプリ」への導入のための前置きとして、百合の身の上話がメインとなる。この部分、細かく作られていて決して面白くないわけではないのだが、ホラー映画としての楽しさはあまりないし、盛り上がるシーンもあまりない。……しかしこれは、本来ならばマイナスになりかねない部分ではあるが、本作の特異性としては、それで正しい。
この作品、あらすじこそよくある呪いのアイテム的な雰囲気ではあるが、蓋を開けてみるとそういう普通のホラー映画とは決定的な違いがある。あまり深くは語らないが、最後まで見れば、よくあるホラー映画の後味とは少し違って感じるだろう。
一方で、ホラー映画を見たいという気持ちで見ると、やや肩透かしになる可能性もある点に注意が必要。個人的には嫌いではないが、「ホラー映画」という枠では勧めにくいという、なんとも反応に困る作品。主人公の小松彩夏はめっちゃ可愛かった。
都市霊伝説 霊視学園
(2008年公開 雑賀俊郎監督) ★★☆☆☆《2017-07-05》
突然、不思議なものが見えてしまった生徒。その謎を解明しようとする級友。それを頑なに拒絶する生徒。心霊研究家の池田先生の指導により知らされた驚愕の事実。それは霊なのか…。謎の転校生、不可解な子供たち、死者からの声、こびりつく恐怖。霊視をモチーフにその実態と謎に迫る奇怪なティーンエイジサスペンスホラー。
(Amazon)
見えざるものが見えるようになった少女の物語。のちに同名のシリーズが三つ出ているのだが、プロデューサーが共通してはいるものの、制作会社などが異なるので別にシリーズには含まれていないらしい。
本作は主人公の少女の周囲で起きている猟奇殺人事件と、主人公が数年ぶりに再会した幼なじみ、主人公が時折視るヴィジョンの主に3つで構成されている。……のだが、どれもわりと平凡で、わりと退屈になってしまう。
終盤付近でようやく盛り上がってくる。犯人に関しては、いままでの地味さを一気に覆すほどヤバイキャラをしているので一見の価値があるというか、これ頭の狂っている描写がちょっと大丈夫なのかってくらいヤバイここからはそこそこ面白いのだが、ここまで来るのに一時間ほどを耐える必要がある。
オチに関しても、多少はフェアだけれど、もっと厳密に演出できたのではないかという部分もあり、プラスマイナスでかろうじてプラスになったというところ。
ラストはいいが、そこまでが本当に普通なので、積極的に探して見て欲しいものでもない。
あとメイキングが異常に長い。
トリハダ ‐劇場版‐
(2012年公開 三木康一郎監督) ★★★☆☆《2015-07-28》
家電メーカーのコールセンターに勤める高林ひかり(谷村)は、製品には関係なく罵詈雑言を浴びせるような酷いクレーマーにも、ひたすら謝り続けるような地味で真面目な社員。しかも上司の中村(小林)との不倫という秘密を抱えていた。その日も後輩の美香(宮崎)に頼まれ、頻繁に電話してくる中年女性、宮脇沙世からのクレーム対応に疲れ果てて帰宅すると、ふと隣の部屋の住人(松本)の表札が“宮脇沙世”である事に気付く…
(Wikipedia)
深夜に突発的にやっていたショートドラマ集「トリハダ」の劇場版。主演は谷村美月。彼女が主人公の話を軸に、6編のショートストーリーが展開される。
『見えざるものの中にある真理』
木南晴夏主演。木南晴夏が可愛くはあるのだが、いかんせん話がベタ。
『異常な愛情と執念の6日間』
宅配便の男とそのストーカーの話。途中の展開の割にはオチが弱い。
『好奇心から生まれる想像と漆黒』
他人のメールのやりとりを覗き見するというアイデアは面白い。
『理想と現実の相違から訪れる闇』
隣に住むという男性が持ってきてくれるおすそ分けとは。どうしてもオチがすぐわかってしまうのが難。とはいえ不気味さは優秀。
『自身に降り掛かった悪夢と結末の相違』
ある日、ポケットに「30」と書かれた紙が入れられていて……。アイデアは一番面白い。ある種のミステリとしてもフェアである。
『誘惑と疑念の葛藤と脅迫』
妻のもとにかかってきたとある電話。驚愕度は作中ダントツだと思う。
どの作品も人間の狂気を扱っており、十分嫌ぁな気分にさせてくれはする。しかしどれもいまいちパンチに欠ける。決してつまらなくはないんだが、オチが読めてしまい傑作とも言いがたい。また谷村美月のメインストーリーが、一部サブストーリーとまったく関係ないのも全体としてはマイナスか。
個人的ベストは『自身に降り掛かった悪夢と結末の相違』。
トリハダ ‐劇場版2‐
(2014年公開 三木康一郎監督) ★★★☆☆《2015-07-28》
OLの山内しおり(石橋杏奈)は、自分が住む前に住んでいた女性宛ての手紙をつい開けてしまう。そこには「君に会いたい。愛している」と書かれていた。再び郵便受けに入っていた手紙には「今日、久しぶりに会いに行きます」との内容が。しおりが手紙の宛て名の三浦玲子をインターネットで検索すると、未解決ストーカー殺人事件の被害者の名前がヒットし……。
(シネマトゥデイ)
「トリハダ」シリーズの劇場版第二作。今度の主演は石橋杏奈。
今回も前回同様、石橋杏奈を主軸としたメインストーリーに、ショートストーリーが6編という構成になっている。覗き穴はちょっとビビった。
『所有の不確かさが招く悪夢の結末』
「まもる」と書かれたビニール傘を持ってきてしまった女性。
主演は足立梨花。そんなばかな。
『思いつきの遊戯と不条理な愛着』
ラブホテルでコスプレのサービスを頼んだカップル。
マジキチの話だった。
『執着の真意と末路の現実』
公衆電話からかかってくる電話。
笹野鈴々音回。
『憎悪の応酬と紙一重の勝利者』
同級生の悪口をいうふたりの女子高生。
ドロドロギスギスしてる。タイトルでネタがバレバレ……。
『負け組からの嫉妬と共通の思惑』
キャバ嬢と冴えない運転手の話。
よくドラマとかで見る運転手の森下能幸さんがいい演技してる。
『軽微な出来心に忍び寄る悪意』
ある女性客が忘れた携帯を男が拾って……。
なんというか地味。
ひとつひとつのストーリーはやや小粒なものの、本筋が地味だった前作とは異なり、メインとなるストーリーにサスペンスがあって、飽きずに見ることができる。しかし前作の弱点だった、各短編がやはり本筋とほとんど関係ない点、オチも釈然としないのは映画として難。
ショートストーリー集と割り切ればそれなりに楽しめるか。
個人的ベストはタイトルとフィニッシングストロークの光る『負け組からの嫉妬と共通の思惑』。
トワイライトシンドローム デッドゴーランド
(2008年公開 安里麻里監督) ★★★☆☆《2015-07-22》
郊外の遊園地で、新作ゲームの発表会が行われた……。しかし、そのゲームとは紛れもない「殺人ゲーム」だった。
(wikipedia)
今度の舞台は遊園地である。前作『トワイライトシンドローム デッドクルーズ』では船上の上というクローズドサークルだったのだけど、前作が前作だったのでどうなのかなと不安になりながら見た。監督・脚本が違うらしいのだけど。
物悲しい、ホラーっぽい音楽で物語は始まる。前作のようにBGMがおかしいという点はなさそうだ。
現れるピエロ。赤い風船。人を不安にさせる要素が満載。今回もゲーム機がメインアイテムになる。新作ゲームのイベントらしい。
イベント開始の不安感もばっちりではある。小道具はチープながらも、ピエロは不気味に仕上がってるし、無人の遊園地もわりと気持ち悪い。
こちらは前作と違いギスギスしていないのも、見てて気分がいい。
デスゲームのプレイヤーとなった登場人物たちの殺される方法も遊園地のギミックを扱ったりしててバラエティ豊か。今度は血もリアルで問題なしだが、やはりB級感は否めないし、いかんせん肝心のゲームの内容があまり面白くない。これは映画としてはかなりマイナス点だと思った。
……とはいえ、短さの中でも二転三転と、ストーリーはきちんと構成されており、登場人物の成長やそれぞれの見せ場もちゃんと描かれている点は素直に評価出来ると思うし、終わり方の余韻もベタながら良い。
詳しくは語らないが、B級ホラー&女の子の友情が見たい方にはオススメ出来るかもしれない。個人的には偏愛にあたる作品である。
+クリックでネタバレ感想
トワイライトシンドローム デッドクルーズ
(2008年公開 古澤健監督) ★☆☆☆☆《2015-07-22》
高校時代の同級生男女合わせて6人が船旅(クルーズ)に出発するが、たまたま6人のうちの1人が始めたホラーゲームソフトが現実世界に影響を及ぼしていく。
(wikipedia)
トワイライトシンドロームといえば幼少の頃、親父さんがやってたのを後ろで見ていて、坊さんのお経でトラウマになった記憶のある作品。
このホラーは、ホラーにあるまじきのどかなギター曲で始まる。
赤い服の少女からDSを託される。この作品、ゲームの発売と同時に公開したということで、なにやらゲームとシンクロして話が進むらしい。ゲームを操作すると現実に影響を与える。
……設定は面白いが、残念ながら映画には生かされていない。ゲーム内でリセットすることで記憶を持ったままゲーム開始状態に戻ることができ、一種のループものといえる。しかしそのループ構造も、クズ大学生たちの手に渡ると、ただのイライラ発生装置にしかならない。
それを支える演出も学芸会レベル。軽快な音楽とともに始まる謎のゲーム。瞬殺される敵キャラクター。出してる血が全然血に見えない。ほとんどの敵キャラクターがすごく弱いうえに安っちい。ルアー釣りのシーンなんかは噴き出しそうになった。ただ、刃物壁のシーンはなかなかよかった。
「一体何が起きてるの」
それはこっちのセリフである。
仲間うちのギスギス感はよくできている。大学生特有の頭おかしい思考回路などはよく再現されていると思う。特にチャラ男とビッチのラブシーンなどは上手い具合に大学生感が出てた。
それにしてもところどころで流れる軽快なBGMはなんとかならなかったのかと思わないでもない。全体的に(ラスト以外)BGMの選択を間違えているのではないか。
本来、デスゲームものはゲームマスターがいるものだが、本作ではゲームマスターは主人公たちの仲間のうちのハブられていた女の子が管理室を乗っ取りやらかすことになる。「こいつらは本当に生き残る気があるのだろうか」と終始イライラさせられるが、その女の子のラストは因果応報なので安心して欲しい。
ラスト、空に浮かぶ「あるもの」には脱力の一言。
しかしオチはベタながら、ベタでも嫌ぁな感じが不協和音的なBGMもあいまって、そこはとてもよかった。
正直言って、幼少期にトラウマになったトワイライトシンドロームとは似ても似つかない、残念な作品である。
本作は78分と短いのだが、次編作品として監督の違う『トワイライトシンドローム デッドゴーランド』なるものがある。はたしてそちらはどうなのだろうか。ワクワクが止まらない。