baseline和ホラー映画日和 り

 リアル鬼ごっこ(2008) [シリーズ] ★★★☆☆
 リアル鬼ごっこ(2015) [シリーズ] ☆☆☆☆☆
 リアル鬼ごっこ2(2010) [シリーズ] ★★★☆☆
 リアル鬼ごっこ3(2012) [シリーズ] ☆☆☆☆
 リアル鬼ごっこ4(2012) [シリーズ] ★★☆☆☆
 リアル鬼ごっこ5(2012) [シリーズ] ★★☆☆☆
 リアルホラー叫(2015) ★★★☆☆
 リアルホラー凶(2015) ★★★☆☆
 琉球トラウマナイト 沖縄ヤバイ(2014) [シリーズ] ★★★☆☆
 琉球トラウマナイト ずっと友達(2014) [シリーズ] ★★☆☆☆
 リング(1998) [シリーズ] ★★★★
 リング2(1999) [シリーズ] ★★☆☆☆
 リング0 バースデイ(2000) [シリーズ] ★★★☆☆
 隣人13号(2004) ★★★★
 輪廻(2006) [シリーズ] ★★★★★


リアルホラー叫

(2015年公開 寺内康太郎監督) ★★★☆☆
《2015-08-02》   


ホラー界の巨匠・鈴木光司が、本当にあった恐怖体験を取材して放ったリアル・ホラー・ドラマ。あくどい商売をしている男が恐るべき事態に陥る「杭打ち」など3話を収録する。出演に中村獅童、芦名星、山本裕典ら。
(TSUTAYA)

 元々はBSフジ開局15周年スペシャルドラマだったものを、三編ずつに纏めたもの。

「杭打ち」
 詐欺師まがいの汚い商売をして会社を営む野末和己は、今日も老夫婦を騙そうと愛人の矢野瑞江とゴルフ場にいた。野末が打ったボールが森の中に消えてゆく。ボールを探す野末があるものに気づき目を見開いた。そこには死体が!後日、会社で新聞を読んでいる野末は「山中初代 65歳ゴルフ場で自殺」の見出しをみつけ、善からぬことを思いつく。

「夜光虫」
 医師をしている川端は、想いをよせている貴子に、プロポーズをする為、仲間の賢治夫婦と共にクルーズに出ていた。釣りをしていた賢治は、小さな女の子の靴を釣り上げた。その女の子の靴に嫌な予感を覚えた貴子だった。気分が悪くなった貴子が船内で休んでいると、ヨットのエンジン音が急に耳をつんざく様な異音に変わった。ヨットは走行不能となり、船内はパニックになる。

「檜」
 給食センター勤務する名波啓二は、幼少時代に交通事故にあい人より知能指数が低くなってしまったが、純粋な心を持ち、真面目に誠実に仕事をしていた。ある日、啓二は給食の配達で訪れた先で1枚の「展望台から撮影した街」の写真をみつけた。その写真に写る風景はどこか見覚えのあるものだった。啓二はその日から同じ少女がでてくる夢を見始める。


 わりとオーソドックスなタイプの、一編30分程度のホラー短編集の前編。オーソドックスなだけあって面白さはある程度安心(?)して見れるが、そこはやはりオーソドックス。ネタがベタであり先は読めてしまう。それを差し引いても、特別何かが悪いというわけでもないので、結構30分はあっという間に見れてしまう。
 全体的に暗いシーンが多すぎる点はマイナス。それでも最低限の登場人物の動きは分かるのだが……。

 個人的ベストは『檜』。怖くはないが単純に一番面白かったし、余韻も良い。




リアルホラー凶

(2015年公開 寺内康太郎監督) ★★★☆☆
《2015-08-02》   


ホラー界の巨匠・鈴木光司が、本当にあった恐怖体験を取材して放ったリアル・ホラー・ドラマ。妊婦が謎の隣人を不審がる「クライ・アイズ」など3話を収録する。出演に武田真治、佐藤江梨子、八嶋智人ら。
(TSUTAYA)

 元々はBSフジ開局15周年スペシャルドラマだったものを、三編ずつに纏めたもの。

「クライ・アイズ」
 とある深夜、出産を間近に控えた新婚の有子の家の向かいに川瀬が引っ越してきた。翌朝、ふと向かいの家に目をやると、リビングのカーテン越しにうっすらと、ただジッと座っている女性が見えた。夕方、ウォーキングから帰り、ふと向かいの家を覗き込むと、朝と同じ、女性がまだ座っていた。この女性の存在をきっかけに、有子は向かいの家に、不気味さと同時に、興味を持ち始め、防犯用カメラで監視をするようになっていく。

「タクシー」
 詳子は夫の久保田智彦と離婚の危機を陥っていた。ある日2人は離婚の話し合いをする為に、最後にプロポーズした店で食事をしようと、車に乗っていた。都内のタクシー会社に勤める三井は、普通のタクシー運転手だが、度々不可解なことが起きていた。ある夜、三井がタクシー車内で寝ていると、後方のドアを叩く音がする。そこに立っていたのは詳子だった。三井はあることに気付く。

「鍵穴」
 サラリーマンの松浦が夕食をとっていると、妻の美樹が一枚のハガキを差し出す。ハガキの主は、20年来の友人である大石とその妻早苗からの手書きの転居通知だった。会いに行くことを薦める美樹に対し、気乗りしない松浦。松浦としては、人生の成功者である大石を疎ましく思っているからだった。気乗りしなかったが、結局、大石の新居へ向かう。だが、その新居のある町は、昔(15年前)通った事のある町並みだった。


 基本的には前作と同じような感じ。
 今回はホラーからいささか離れているが、サイコスリラー・コメディタッチ・サスペンスとバラエティ豊かな構成になっている。
 やはり全体的に画面が暗いのが気になる。

 個人的ベストは隣人の奇妙な行動を監視カメラで描いた『クライ・アイズ』。ホラー感は少ないが、スリラー度は高い。武田シンディの怪演が光る。
 ラストの短編がもう少し切れ味が良ければ★4だった。




隣人13号

(2005年公開 井上靖雄監督) ★★★★
《2017-08-03》   

[鬱][グロ][狂気][暴力]

奴は、隣に住んでいる――。

かつていじめられっ子だった村崎十三は、一見穏やかな青年に成長して、建築現場の仕事に就き、とあるボロアパートに引っ越してくる。だが、彼のカラダには凶暴な別人格“13号”が巣食っており、怒りの沸騰と共に顔を出す。そして少年時代の自分をいじめた赤井トールへ、10年越しの壮絶な復讐を仕掛けるのだった。しかし、その凶暴性は徐々に増していき、ようやく事の重大性に気づいた十三は、なんとか“13号”を抑えようとするが、もはや自分の力ではコントロールすることはできなくなっていた…。
(Amazon)

 小学生の頃のいじめで解離性同一性障害になった青年が、そのいじめっこに対して十年後しの復讐を果たす……というノワール、悪漢映画というか。作中である人物が「おい!やりすぎだろう!!」という言葉を発するが、まさにその通りで、とにかく下品でえげつない復讐を、小栗旬とその別人格・13号である中村獅童の二人の葛藤を絡めて、カリカチュアライズに描いている。
 復讐の相手が暴走族の総長を経ていたり、主人公とその相手が務める先が建設現場だったりと、深夜のドンキホーテでよく見るカップル的なノリがある。この部分が合う合わないはありそうだけど、中村獅童演じる13号がとにかくむちゃくちゃをするので、退屈することはあまりない。終盤に出てくる「ある復讐方法」は悪意の塊であり、そういうブラックな話が好きなひとにはたまらないだろう。
 そしてそこからのラスト。思っても見なかった方向から殴ってくるそれは、そこまでは「面白いっちゃ面白いけど、別に好きではないな」という感想を一変させた。
 
 ……のだが、本作はそこそこにグロい点。中村獅童演じる「13号」の挙動がやや不謹慎な点。そして妙にリアルな汚物表現が出てくる点には注意してほしい。






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