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リアル鬼ごっこシリーズ

リアル鬼ごっこ (2008) ★★★☆☆
リアル鬼ごっこ2 (2010) ★★★☆☆
リアル鬼ごっこ3 (2012) ☆☆☆☆
リアル鬼ごっこ4 (2012) ★★☆☆☆
リアル鬼ごっこ5 (2012) ★★☆☆☆
リアル鬼ごっこ (2015) ☆☆☆☆☆


リアル鬼ごっこ

(2008年公開 柴田一成監督) ★★★☆☆
《2015-08-05》   

[アクション][デスゲーム][超能力][美少女]

全国の佐藤さん、貴方たちはあまりにも多いので、少し数を減らします。

全国で最も多い苗字である佐藤姓の人物が変死する事件がおきていた。そんな中、不良の佐藤翼は対立グループの佐藤洋に捕まったが、気が付いた彼は別の平行世界、パラレルワールドに飛ばされていた。近くの同級生も話を聞いてくれない。そのとき、洋が自分に向かって突進してくるが、洋も何かに追いかけられていた。捕まえて話を聞くが自分のことを知らないという。この国の王様が佐藤姓の人物を捕まえて死刑にする「リアル鬼ごっこ」を強要していた。残りは2日。翼は訳の分からないゲームに強制参加させられてしまう。
(Wikipedia)

 山田悠介原作の同名小説をアレンジして映画化。
 何も難しいことを考えずに見てられる程度にはエンタメ性は高い。よくもあんな原作からこの映画を生み出せたなという感じ。起承転結がしっかりと出来ているし、オリジナルのパラレル設定も多少目を瞑れば上手いことロジックが通っているように見える。
 ホラー映画としては、多少スプラッター描写はあるもののアクションシーンの派手さが勝っており、いまいち「追いかけられて捕まる怖さ」が出てなくてもったいないところ。また、後半がややダレてきてしまっていたのも難。
 谷村美月は可愛かった。




リアル鬼ごっこ2

(2010年公開 柴田一成監督) ★★★☆☆
《2015-08-05》   


殺人ゲームから半年後のパラレルワールドでは、またしても佐藤姓の人物が追いかけられる「リアル鬼ごっこ」が行われていた。佐藤翼と妹の愛、親友の洋は、鬼ごっこを提案した将軍と呼ばれる独裁者に対するレジスタンスとして活動していたが、ある日突然翼が鬼3匹を連れて現実世界にスリップしてしまった。
(Wikipedia)

 前作の正当な続編。一部キャストが変更されている。序盤は前回の設定の説明。今回の主人公は鬼と警察のふたつから追われることに。鬼の性能も上がっており、追われるスリルは上昇した。
 前半がマンネリ化してきたところに、謎の敵の介入ありと、飽きさせないための工夫も一応されている。
 とはいえ良くも悪くもアクションに特化している。意外な展開などはほとんどないので、何も考えずアクション映画として見るのが吉。




リアル鬼ごっこ3

(2012年公開 安里麻里監督) ★☆☆☆☆
《2015-08-05》   

[アクション][学園][デスゲーム]

私たちは、B型のいない平和な日本を目指します!

ある日スグルの通う高校がリアル鬼ごっこの対象とされ、王様が国営放送でこれから3日間で鬼に捕まった血液型B型の者は抹殺すると宣告する。屋上でさぼっていたスグルと悪友のコダマはすぐには状況を把握できずにいたが、鬼にB型の生徒が次々に処刑されていく光景を目にしパニックになる。スグルもB型でターゲットの一人だったが、コダマはB型でないのにも関わらず、スグルを救おうとして犠牲になる。生き残ったのはスグル、スグルと敵対していた陸上部のオンジ、いじめられていた女子生徒のリノ。 リノが弟を救おうとするのに伴い、彼らはついに学校を脱出するが――。
(Wikipedia)

 一応ナンバリングは続いているが、前作とはまったく関係ない設定になっている三作目。今度はB型の人間を捕まえるという設定になっているが……。

 王様のビジュアルは狙っているのか、しかしかなり寒い。鬼役の装備もしょぼくなっている。
 前作や前前作であったアクションシーンも、カメラワークでの誤魔化し(というかただ揺らしてるだけ)でほとんどなくなってしまっている。残虐なシーンも、処刑方法を変えたことによりほぼゼロに。
 また、舞台を学校という閉鎖空間に限定してしまったことも、同じようなシーン(というか実際同じシーンが使われてた)ばかりということに繋がってしまっている。

 後半は学外に出るわけだが、夜の暗い画面ばかりで何やってるのかよくわからない。
 というか、主人公たちが逃げるのは学内のみというルールを破った時点で、三日目まで生き残れば助かるというルールが適用されると思ってるのが都合良すぎるし、それを黙認する王様も王様である。脱走したら即殺害されるはずが追手が来たり来なかったりと脚本の都合の良いように使い分けられる。作られたルールの抜け穴を見つけるのはゲームものの醍醐味ではあるが、堂々と破るのは興ざめする。更には乗り物にも乗り出す。もう何でもありである。ここまできたらオチは「やっぱりやると思った」というネタである。
 全体的に前作よりスケールダウンしていて、正直見るべきところはほとんど無い。

 エンディングの黒崎真音の「鳴り響く鼓動の中で、僕は静寂を聴く」は良かった。




リアル鬼ごっこ4

(2010年公開 安里麻里監督) ★★☆☆☆
《2015-08-05》   


マサハルはスグルと同じ高校の生徒だったが、リアル鬼ごっこが開始されるといち早く校外へ脱出した。しかし、鬼の追撃は校内以上に厳しく限界がない。近隣のエリアまで逃げ延びたマサハルは、他校の女子校の生徒、男勝りの気丈なツカサと、彼女を慕うユイの二人に出会う。気が強いツカサと他人を信じないマサハルは衝突するが、幾たびかともに危機を乗り越え、互いの境遇が似ていることを知ると二人に絆が生まれた。どちらかが鬼に捕まったら、そのときは殺してくれとマサハルとツカサは約束し合うが――
(Wikipedia)

 リアル鬼ごっこ4は3と同一世界の話。なにやら一週間で連続公開されたらしい。
 同じシーン何度繰り返すんだという感じ。相変わらずアクションシーンは暗いところでばかり誤魔化してる。何をもって見込みがありそうだと判断したのかわからない爆弾を受け取るシーン。なぜかありえない場所に突然現れるバット男。前回と同じように脚本にツッコミ入れだしたらキリがない。

 ……それでも、まあ、終わり方が前回よりまだマシなだけ救いようがある。それに前作より短い時間で色々なことをしていながらもそれなりに綺麗にまとまっているので、その分見やすい。山場もベタではあるものの、ある程度は感動的である。
 またそれぞれのキャラクターもしっかり書き分けされていたのも好印象(前作は長いのに上手く描かれてなくて感情移入のしようがなかった)。3を見るくらいなら4を見た方が面白い、というわけでこの評価。

 この監督、女の子を出すとそれなりに美味しくなるんだよなぁ……。下手に男キャラ出すよりも、そっちの方が評価していたかもしれない。




リアル鬼ごっこ5

(2010年公開 安里麻里監督) ★★☆☆☆
《2015-08-05》   


草野大地は製薬会社に勤めるが、みんなから馬鹿にされるようなドジな社員。恋人がいるOLの月野希に密かにあこがれ、ただ見守っているだけでいいんだと同僚の浩太に語る草野。しかし草野のオフィスビルがリアル鬼ごっこのエリアになり、B型の希も狩りの対象になってしまう。草野はA型ながら希を守ろうと、自らリアル鬼ごっこに巻き込まれていく。
(Wikipedia)

 一時間少しと短い尺ながら、リアル鬼ごっこの理由なども並列して描いている。
 例によってご都合主義だとか細かいことを突っ込んでいったらキリがないものの、過去二作の(というか主に4の)裏側もまあまあ綺麗に回収されていた。4で無かったのがやや不満だった、3での連戦もちゃんと実施されている。
 いままで通りややチープな作りではあるものの、解決のロジックもそれなりに上手く出来てるのも好印象。

 しかしこれ、4はともかくとしても『3』必要だったか?




リアル鬼ごっこ

(2015年公開 園子温監督) ☆☆☆☆☆
《2017-07-16》   


女子高生のミツコ、ケイコ、いづみ。平和だった彼女たちの日常は突如崩れ去り、全国の女子高生が何者かに追われ、次々と殺されていく。
(Wikipedia)

 初っ端からとんでもないゴア描写で幕を開ける、。過去のリアル鬼ごっこを見たことがあるならば、余計に疑問が浮かぶだろう。なぜかというと原作は山田悠介なのだが、園子温は「原作を読んでいない」と公言し、そもそもリアル鬼ごっこは無関係。
 そもそもの原作からしてなんとも言えない出来ではあったのだが、本作はどうかというと。
 
 本作は、ある種の開き直りとも言えるほど女の子しか出てこず、そしてパンチラシーンが異常に多い。そんな女の子ばかりが出る映画で、血しぶき爆発なんでもあり……なのだが……。
 この作品が、昨今のフィクションへのアンチテーゼなのは理解できる。できるのだが、正直面白いとは思えない。予告に関しても「女子高生の数を減らします」とかいいつつ、平然と本編はまったく別のものなのは、ちょっとどうかと思う。
 序盤のスプラッターシーンがわりと好みだっただけに、それ以降がまったく合わずダメだった。




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