(シネマトゥデイ)
前作で大ネタがバラされた上での続編。とはいえ、前作を見なくても本作を見る分にはさほど問題ない(やや前作のネタバレがある)。
前回では幼い頃のいじめが×ゲームのルールとなっていたが、今回は「補習」という形で、学校で習うような問題を解くものになっている。
テンポの悪かった前回とは違い、今作は×ゲームとジャーナリスト視点の二つを平行して描かれており、時間が長いわりには見やすくなっている。そして本作は集められた人間に一見共通点のない、ある種のミッシングリンクものだと言える。
しかし一方で演出の甘さが気になる。おばさんが軽々持っていた鉄球を男が必死になって持ち上げる、顔に×ゲームの焼きごてを押されているにも関わらずいまいち悲壮感がない、なぜか他の罰ゲームのアイテムを見つけないなど、かなり気になる部分が多い。
また、本作はオチが相当弱い。本作を見るのはほとんどが前作を見ている人間だろうけど、前作を見てる人間ならばだいたいオチに見当がついてしまう。そうでなくても、インパクトには欠けている。
ミッシングリンクものとしても、各人物の共通点は中盤で明かされるので意外性はほとんどない。犯人に関しても「まあ、そうだろうなぁ」というところ。
前作で特化していた暴力・グロ描写も控えめになっており、見る点がほとんどなくなってしまっている。全体的に薄味で地味である。
8・1
(2005年公開 高橋洋平監督) ★★☆☆☆
《2017-07-19》
心霊スポット巡りが好きな中学生の2人。元気に過ごしているようだが、そのひとりは人が死ぬ悪夢に悩まされる。そして夢に必ず出るのは不気味なトンネルだった。
(Netflix)
山田悠介の小説が元になっているが、まったく内容は違うらしく原案としてクレジットされている。
あるトンネルを通った人が死ぬ夢を見る少女の話。その死は実際に起こっていて……。というストーリー。
一時間しないほどの短い作品なので、物語のテンポがかなりよく、あと一部シーンを早回しに演出することでカバーしたりしている。その演出も不気味さを増すのに貢献している(使いすぎて食傷気味になる面もあるが、後半になると減るので苦肉の策だったのだろう)。これに関しては、本作が元々ネット配信されていたものらしく、そういうわけで一時間以内という縛りがあったのだろうと思う。
あるトンネルで連続で起きる怪死はある共通点があり、主人公の少女がそのトンネルに向かうあたりまではそこそこに面白く、徐々に狂っていく(あるいは狂っていた)様はかなり好みではある。……のだが、オチがかなり雑というか、いまいちピンとこない話に着地して幕を閉じる。釈然としないまま終わるので消化不良を起こし、あまりいい評価は出来なかった。
ちょうど「雨と夢のあとに」の頃の黒川智花が主演なので、テレ朝の金曜ナイトドラマ枠が好きな自分にとってはなんだか懐かしくはなった。
パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT
(2010年公開 長江俊和監督) ★★☆☆☆
《2015-08-13》
アメリカ・サンディエゴのあるホームビデオの出来事から4年後の2010年、東京で車椅子の生活を余儀なくされていた山野家の姉・春花は、ある朝車椅子が不自然に移動していることに気づく。はじめは弟・幸一のいたずらと決め付けていたが、幸一の説得で一晩中カメラを回して撮ったその映像には衝撃の映像が映されていた。
(Wikipedia)
アメリカで低予算で作られた「パラノーマル・アクティビティ」の日本版。監督は「放送禁止」の長江俊和。
残念なことにオリジナルの方は見ていない。一応、オリジナルの方は見てなくてもなんとかなるっぽい(前作との関わりみたいなものが語られるくらいか)。
姉の部屋が鏡張りでラブホみたいだとか、姉の部屋を盗撮する弟とか、見ていていろいろツッコミどころがある。
基本的に音とかでびっくりさせるタイプのホラー。いかにもアメリカ的である。何かこう、派手なシーンを期待して見てるとやや肩透かしを食らわせられる。
中盤から、同じような映像ばかりでかなりダレる。さほどつまらないわけではないのだが、恐怖の表現方法があまりにもテンプレすぎて、終始予測を上回らない。物語が解決するようなカタルシスも特にない。
モキュメンタリーとしてのリアリティがないって点は、まあ、このシリーズ自体が既にフェイク系だってのが知れ渡っていたからさほどマイナスでもない。
本作には「放送禁止」シリーズのような、小ネタがあるらしい(父親が帰宅するシーン?)のだが、何回か早回ししながら見てもわからず。青年と共にちょくちょくオカルトの本が出てくるのが伏線かと思ったが、別に関係無かった。
パラノーマル・フェノミナン
(2010年公開 白石晃士監督) ★★☆☆☆
《2015-08-18》
現象1:新宿区に住む男性から送られて来た映像。あるホテルで撮影されたらしいそれには心霊現象がしっかりと記録されていた!
現象2:千葉県に住む女性からの投稿映像。とあるサイトで知り合った3人がパワースポットに出かけた時、不可思議な現象が起きた!
(GyaO)
白石晃士の元に寄せられた怪奇映像を紹介するという形式のPOVのモキュメンタリー作品。「パラノーマル・アクティビティ」を彷彿とさせるが、コンセプトはやや異なる。
一つ目はラブホテルにて撮られたという映像。投稿作品という形式上、顔にモザイクがかかってしまっている。おっぱいにもモザイクがかけられててなんとも言えない。全体的に安っぽい演出ではあるものの、本家よりもド直球的な意味で怖かったかもしれない。大衆的というか。ただしノーカットのため、テンポがやや悪い。
二つ目はパワースポットでの映像。こっちはモザイクがかかっていない。カット済みといいつつ、結構余計なシーンが多い。こっちに関しては何がなんだかであまり面白くない。
どちらも怪異が起こるまでかなりグダグダとしている。一つ目は女優さんの演技もあってまだ楽しんで見れていたが、二つ目はかなりつらかった。積極的にはオススメできない。
パラノーマル・フェノミナン2
(2010年公開 村上賢司監督?) ☆☆☆☆☆
《2018-06-27》
「怪談新耳袋」シリーズの村上賢司が秘蔵する、すすり泣く女性の霊が出没するという千葉県の廃墟を捉えた「幽霊…?」編、登山家が遺した「宇宙人…?」編を収録。
(Amazon)
パラノーマルアクティビティの後乗り的なモキュメンタリーシリーズの
二作目。監督が?なのは情報が出てこなかったから。収録されているのは、グラビアアイドルが過去に殺人事件のあったラブホテル廃墟に赴き撮影する『心霊』と、ちょっと上手く説明できない『アブダクション』。
『心霊』に関してはモキュメンタリーの王道的な作品で、まあそうなるよなぁという感じで良くも悪くも語る部分が少ない。だがホラー以上に、ディレクター(だったか? とまれスタッフ)がカスなことにイライラする部分が大きい。
『アブダクション』については……説明すると、「ある登山好きのアマチュア監督が妻と一緒に山登りをしたときの映像を、自ら映画にした」というクソみたいなホームビデオを見せられ、その後に続けて「妊娠中の妻と一緒に登山したときの映像を映画にした」というクソみたいなホームビデオをまた見せられる。このホームビデオがほんとにつまらなく、そしてホラー(というか『アブダクション』というタイトルからわかるようにUFO的な話)な要素も語るものがなにもない。というか、一番怖いのはこの素人監督で、妻に怪我を追わせそうになっても平然としていたり、出産日を超えている妻を連れて登山に行き、更には妻を見失うという、圧倒的なサイコパスな点。この頭のおかしさは何かストーリーに関わるかと微かな期待があったが、特になにもなく、「平凡な素人監督を襲った恐怖」みたいになっているので解せない。
パラノーマル・フェノミナン3
(2010年公開 古澤健監督?) ★☆☆☆☆
《2018-06-27》
『オトシモノ』の古澤健をナビゲーターに恐怖の超常現象を紹介する。湖を訪れたカップルが怪異に遭遇する「溜め池」編、恐怖が姉妹を襲う「悪魔祓い」編を収録。
(Amazon)
パラノーマルアクティビティの後乗り的なモキュメンタリーシリーズの
三作目。監督が?なのは情報が出てこなかったから。
二作目がほんとにアレだったが、まあ3まであるのでということで。
今回も二話構成で、釣りに訪れたカップルが謎の封印を悪ふざけで解いてしまい……という話と、神社で悪霊祓いをする話。
どちらも前作よりは遥かにマシな出来ではあるものの、取り立てて語る部分(文句をいう要素も)がないという、なんとも困る。強いて言うなら、釣りの話の封印が髪の毛を束ねたようなもので、白石作品に登場するいつもの呪物にめっちゃ似てるということだが、この作品の監督が誰だかよくわからないのでなんとも。特に過去作と代わり映えしないので正直きつい。