baseline和ホラー映画日和 ひ

 POV ~呪われたフィルム~ (2012) ★★★☆☆
 彼岸島(2009) ★★☆☆☆
 ひきこさん VS 口裂け女(2011) ★★☆☆☆
 ひきこさん VS こっくりさん(2012) ☆☆☆☆
 ビギニング オブ トイレの花子さん イジメから始まる物語 (2011) ★★☆☆☆
 ひぐらしのなく頃に (2008) ★★★☆☆
 ひぐらしのなく頃に 誓 (2009) ★★☆☆☆
 ひとりかくれんぼ 劇場版(2009) ☆☆☆☆☆
 ひとりかくれんぼ 劇場版 -真・都市伝説-(2012) ☆☆☆☆☆
 ひとりかくれんぼ 新劇場版(2010) ☆☆☆☆☆
 ヒメアノ~ル (2016) ★★★★★
 ビンゴ(2012) ★★☆☆☆


POV ~呪われたフィルム~

(2012年公開 鶴田法男監督) ★★★☆☆
《2015-07-22》   

[幽霊][学園][呪い][美少女][モキュメンタリー][POV]

この学校には“何か”がいる――

同じ事務所の先輩と後輩にあたる志田未来と川口春奈は、携帯電話用番組「志田未来のそれだけは見ラいで!」の収録現場に赴く。全国から寄せられた動画を紹介するその番組ではその日、実際の心霊現象を撮影した「心霊動画特集」の企画が進行していた。だが、春奈が通う中学校の「学校の怪談」のビデオを再生すると突如異変が発生し……。
(シネマトゥデイ)

 「志田未来のそれだけは見ラいで!」という架空のバラエティの撮影中に起こった恐怖、という設定のフェイクドキュメントの作品。
 しかしモキュメンタリーとしてはストーリーが筋立ち過ぎているので失敗している。更に志田未来ちゃんの演技が良くも悪くも演技らしすぎるので、それに拍車をかけている。あとマイクつけてないのに声の通りがいい先生。
 というわけでモキュメンタリーってのを無視すれば、それなりに恐怖感はある。ただ恐怖感といってもどちらかというと「これから何が起こるのだろう」という不安感で、実際起こってみるとあんまり怖くない。全体的に電話とか謎の音でびびらせようとしすぎ。だが終始怖がる志田未来ちゃんには癒やされる。
 恐怖感があまりない理由として、謎が謎として綺麗に回収されるという点が挙げられる。伏線が整頓されすぎている。伏線を回収してくれるのはありがたいが、あまり解体し過ぎると恐怖はなくなる。あと単純に幽霊がただ立ってても怖くない。
 前半はまだ「何が起こるのだろう」というドキドキ感があるものの、後半はPOVの悪さというか手癖が際立ってしまってる点もマイナス。志田未来ちゃんがひたすら可愛かった。八重歯が可愛い。プラス★ひとつ。

 余談だがレンタルしたディスクが傷ついてて、途中で画面が滅茶苦茶になったのが一番怖かった。

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彼岸島

(2009年公開 キム・テギュン監督) ★★☆☆☆
《2015-08-13》   

[美少女][怪物][アクション]

本当の地獄は、これからだ。

高校生の明(石黒英雄)の兄の篤(渡辺大)は、数年前に旅行に出掛けたまま失踪(しっそう)しており、今なお行方がわからないままだ。そんなある日、彼の前に謎の女性(水川あさみ)が現れ、兄は彼岸島という孤島にいると告げる。明は単身その島に乗り込む決意をするが、幼なじみの仲間たちも同行することになり……。
(シネマトゥデイ)

 松本光司の同名マンガを映画化。といっても私は最初の数巻読んだきりでさほど思い入れはない。
 しょっぱなから万能武器である丸太が大活躍であるが、本編が始まると出番がほとんど無くなる。
 ヒロインが既に付き合っているという設定が無くなっているのがなんとももにょる。
 吸血鬼全員が妙に芝居じみててアホくさい。特に雅が白塗り過ぎやしないか。「すごい潜在能力だ……」には失笑してしまった。

 前半までは、キャストも合ってて「あれ? なんとか見れる?」と思ってたんだが、後半になるとやけに爆発使いたがったりワイヤーアクションだらけだったり、潜在能力が覚醒したり、モンハンになったりとで、『ああ……」と溜息が出てしまった。アクションシーン自体はさほど悪くはないのだけど、テンプレが過ぎるというか、ベタなので、わざわざそれを目当てで本作を見る必要があるかと聞かれると微妙……。
 仲間たちも必要があったのか疑問。瀧本美織は可愛かったけど、やっぱり必要だったのかと訊かれると……原作でいたから使わなければならないのはわかってるんだけど……。
 特筆して貶す部分もそんなないけれど、褒める部分もないという微妙な作品。



ひきこさん VS 口裂け女

(2011年公開 永岡久明監督) ★★☆☆☆
《2017-08-28》   

[美少女][狂気][怪物][病院][都市伝説]

暗闇の奥から、奴らがやってくる…!

小学生の頃、大量殺害事件に巻き込まれて、10年間もの昏睡状態にあった美咲(関本ちひろ)と瞳(藤田まい)が突然、意識を取り戻した。
(VideoMarket)

 小学生の頃に大量殺人に巻き込まれて昏睡状態だった二人の少女が10年ぶりに目覚めたとき、「ひきこさん」が蘇り……という、ちょっと捻った導入でストーリーが始まる。
 このシリーズのひきこさんは「思い出すと出てくる」ので、少女たちが目覚めたと同時にひきこさんも現れる。
 設定とシチュエーション自体は結構面白い。のだけど、それ以外の、例えばその対戦相手である「口裂け女」と実際に戦うシーンはごくわずか。その戦いもキャットファイトなので脱力的。後半までひきこさんと口裂け女の区別があまりつかなかったし……。
 ホラー要素も結構頑張ってはいるものの、そんなに描写が多いわけでもない。オチのブラックさだけは積極的に評価できる部分。
 あと入院していた女の子のメイキングシーンがたいへんかわいい。



ひきこさん VS こっくりさん

(2012年公開 永岡久明監督) ★☆☆☆☆
《2017-08-28》   

[都市伝説][狂気][学園][美少女][怪物]

ひきこさんVSこっくりさん、呪いの頂上決戦!

幼い頃「ひきこさん」に襲われ、奇跡的に生還した過去を持つ女子高生の沙織。彼女の同級生・恵美がいじめの復讐のために行った「こっくりさん」がきっかけで、「ひきこさん」を再び呼び起こしてしまい…。
(Amazon)

 ひきこさんとこっくりさんじゃ、フィールドが違うやろ!と思わないでもないが、呪いのこっくりさんを行ったいじめられっ子の少女にとり憑いて戦う。
 この手の話でバトルが面白く無いというのは本当に致命傷。なんにしても「VS口裂け女」と似たり寄ったりの感じだし、ホラー演出は更に少なくなっている。
 むしろ個人的には、いじめのあたりからコックリさんをやった後あたりの、あんまり本作のテーマじゃないところの方が楽しく見れた。
 メインヒロインというか主人公はかわいかった。



ビギニング オブ トイレの花子さん イジメから始まる物語

(2011年公開 柴山健次監督) ★★☆☆☆
《2015-07-26》   


都市伝説「トイレの花子さん」の始まりを描いたホラー。荒廃した中学校に転校しクラスメートたちにイジメられた花子は、重大な過去の秘密を知られてしまう。その秘密とは、花子が彼女の母親が起こした一家惨殺事件の生き残りであるというもので…。
(キネマ旬報社)

 都市伝説「トイレの花子さん」の始まりの物語。冒頭のモノクロ・不安になる音楽はよい。
 登場人物全員、特に先生役のおかもとまりの演技が微妙だが、まあ若い教師っぽさは出ている。

 人数の少ない学校に、美少女が転校してくるところから始まる。そうなればいじめられるのは当然のルートというべきか。開始十分でそこまで至る(といっても全体の尺が短いので仕方ない)のでテンポはいい。本読みからすれば「本を破るなんて!」となった。いじめっこのグループも嫌らしさがよく出ている。
 一方、ホラー映画としては微妙である。突如現れる黒い手が不気味にできているが、せいぜい少し不気味といったところ。尺が足りないからという理由もあるだろうが、ホラーを絡めた回想シーンもやや強引(こういう見せ方もありだとは思うが)。特に前半はほとんどホラー描写はなく、そういった意味では退屈であると感じるかもしれない。後半になるとホラー描写が増えるが、結局同じことを繰り返すだけ。
 そしてオチだが、あまりに唐突なので正直わけがわからない。盛り上がりが少ないとはいえ前半がそれなりだった為に、ラストの落胆具合がものすごい。

 ホラーというよりは、もの悲しい青春ものといった毛色が強い作品である。池上花衣(現在は生田絵梨花)が可愛いので、その点でも見れるか。
 映像や音楽などは綺麗なので、オチがこうでなければもう少し評価していた。

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ひぐらしのなく頃に

(2008年公開 監督) ★★★☆☆
《2015-08-03》   


昭和58年初夏、圭一(前田公輝)は東京から人口2000人の雛見沢村に引っ越して来る。彼は分校で委員長の魅音(飛鳥凛)やレナ(松山愛里)ら親切なクラスメートにも恵まれ、田舎での生活を満喫していた。しかし、夏祭りの晩に村の撮影に来ていたカメラマンが死亡するという事件が起き……。
(シネマトゥデイ)

 同名同人ゲームの実写映画化。ゲームの一編目『鬼隠し編』に相当する。
 良くも悪くも実写映画版。
 景色はわりとゲームそのままなのはファンには嬉しい。圭一の家はイメージそのままだし、分校もいい出来している。しかし元になったゲームの性質上仕方のないことだが、上級生たちがどうしても浮いてしまっているし、圭一の演技があまりにも酷すぎる。

 ストーリーはやや駆け足といったところ。尺の問題だけど、やはり説明不足感がある。ただ、正直痛々しい日常パートを実写ではほぼバッサリカットしたのは、良い選択だと思う。圭一が結構暗い性格だったってのを掘り下げていたのも好印象。しかし「嘘だッ!」のシーンはちょっと酷い演出。
 ……というように、良い点もあれば同じようにまた悪い点もあり、結果プラマイゼロといった感じに。

 ホラーとしては……原作で展開を知ってしまっているので、ノーコメントで。知らずに見たら、後半が少し怖いかもしれない。

 梨花ちゃん役のあいかと沙都子役の小野恵令奈が可愛い。あと入江先生が原作まんまだった。歌がアニメ版の歌を歌っていた島みやえい子先生の「WHEEL OF FORTUNE」「ディオラマ」なのも良い。
 実写化としては十分見れるレベル。意外とフェアに作られている。

 評価は単発では何も解決しない(あくまで「鬼隠し編」の実写化)という、続編がある前提での評価。


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ひぐらしのなく頃に 誓

(2009年公開 及川中監督) ★★☆☆☆
《2015-08-03》   


昭和58年、離婚した父親と一緒に人里離れた雛見沢へとやって来たレナ(松山愛里)は平穏な毎日を送っていた。彼女は最近東京から転校して来た圭一(前田公輝)や、世話好きの魅音(飛鳥凛)らとも仲良くやっていたが、実は両親の離婚のトラウマがあった。そのせいか父の新しい恋人(矢部美穂)にもなかなかなじめずにいた。
(シネマトゥデイ)

 まず本作を紹介するにあたって、説明しなければならないことがいくつかある。一つ目が本作は映画『ひぐらしのなく頃に』の続編であるということ。そして二つ目はこの『誓』は原作ひぐらしの八つある本編エピソードの中の六つ目にあたる『罪滅し編』をベースに作られている。そして三つ目、ひぐらしの各エピソードはほぼすべてが平行世界として描かれている、ということ。
 これらのことを頭に入れて置かなければ、視聴者は置いてけぼりを食らうこと必至である。

 キャストは前作からほぼ続投。大石さんのみ変わっている。
 さて肝心の本編だが、物語は既に圭一が転校して来た状態から始まっている。前作だけを見たひとは何がなんだかわからないだろうが、本作『誓』は『ひぐらしのなく頃に』のいわゆるパラレルワールドなのである。だから前作で死んだ人間全員が生存しているというわけだ。

 基本的な出来は良い点も悪い点も前作と一緒。
 多少駆け足ではあるが、ある程度は忠実に作られている。知恵留美子先生はカレーを食べようとしているし、前作でやったことを本作でくどく繰り返さない。そこらは好印象ではあるものの、単作としては不親切なので難しいところ。
 原作でのレナはもう少し哀愁が漂っていた(それがよかった)のだが、描写が少ないおかげで本作のレナはただの頭おかしい人である。梨花ちゃんのシーンは改変されていたものの、ちょっとカッコ良かった。しかしこれも原作その他の視聴者でなければわからないネタ。

 ……ここまでなら、忠実な実写版として、それなりに評価出来た。

 しかしラストのラストでかなり余計なことをしでかしてくれたのだ。詳しくは伏せるし、映画的にはやむを得ないのかも知れないが、原作では当該シーンのインパクトが最高にCOOLだった。そこを改変してしまった。その点だけでもかなりマイナスである。

 ……更に『罪滅し編』は派手なアクションシーンがあり、確かに映画向けのエピソードだと言える。しかし結局は八つあるエピソードの中の六つ目。
 一応、解答に至るまでの伏線は張られている。だがこの話では根本的な謎は解決しないのだ。いわば、未完結のまま視聴者はほっぽり投げられたということになる。まだ前作は問題編ということで評価出来たが、本作ではさすがに評価しがたい。(余談ではあるが、私はひぐらしの解決をあまり評価しておらず、『目明し編』が最高だと思っている過激派である)

 ストーリーは完全に原作既読者向け。であるが、本作が原作既読者に受け入れられるかはまた別の話である。元々、(ファン層も含め)実写化は難しい話なのである。

 曲が前作やアニメ同様島みやえい子先生の「誓い」なのは、テーマとも合っててよかった。

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ひとりかくれんぼ 劇場版

(2009年公開 山田雅史監督) ☆☆☆☆☆
《2015-08-22》   

[幽霊][病院][都市伝説][ネット]

モウ……イイカイ……

ルールに従って“ひとりかくれんぼ”を行うと、さまざまな怪奇現象が起こるといううわさがネットを通じて拡大。人を呪い殺せるルールのうわさを聞いた孤独な女子高生りつ子(河北麻友子)は、父親を殺したいと話す同級生の相川(碓井将大)に一緒にやろうと持ちかける。しかし、異様な雰囲気を感じた相川はりつ子の制止も聞かずに途中で帰ってしまう。
(シネマトゥデイ)

 ひどい作品。最初の十分は、いわゆる「ひとりかくれんぼ」のルール説明なのだが、そこから何かが起きるまで間延びしすぎである。そして実際に何が起きてるのか確かめるまでまたゆっくりと描写され……と、ここでようやく本編が始まる。じわじわとした恐怖といえば聞こえがいいが、全体的にシーンの余白が多い。ホラー演出自体は(最初の方だけは)さほど悪くはないのだが、いかんせんテンポが無茶苦茶悪い。必要のない描写がかなり目につく。音だけ聞いていてちょっと変わった音が出た時だけ映像を見ればいいんじゃないかな、というレベル。

 本作はある種の降霊術である「ひとりかくれんぼ」の恐怖をテーマにしているのだが、冷静に見ていると実はあまり関係ない。
 一応ひとりかくれんぼを失敗した人が死んだり行方不明になったりしているのだけど、ひとりかくれんぼをやっていない主人公やその同僚をはじめ、ほとんど無関係の人間までなぜか強引に巻き込まれてしまっている。破綻しすぎてまったく解せない。
 そもそもわざわざ降霊術をやって自分から怪異に巻き込まれている人間が、さも理不尽な目に遭っているかのように怖がるシナリオは、正直意味がわからない。いやいや自業自得だろとしかいえない。
 ラストあたり、事件と関係ない主人公が病院を徘徊するパートと、主人公と縁もゆかりもないネット住民たちのひとりかくれんぼ実況がちょちょいと交互に挿入されたりもするのだが、その二つは何の関連性もない。本来、この手法は関連する二項を並列描写するから効果があるのであって、これは何も意味がない。
 オチも綺麗にまとめようとナレーションが流れるのだが、どうしてそのようなナレーションがこの脚本から導き出されるのかもよくわからない。もう全体的にグダグダで、単に怖そうなシーンを繋いだだけという印象しか残らない。
 褒めるところがどこにもない。




ひとりかくれんぼ 劇場版 -真・都市伝説-

(2012年公開 鳥居康剛監督) ☆☆☆☆☆
《2015-08-26》   

[ネット][都市伝説][POV][学園]

午前3時に結界が崩壊する

高校の映画部に所属する倉田さくら(野中美郷)と塚本康介(鮎川太陽)は、映画部の活動として「ひとりかくれんぼ」という都市伝説の降霊術を題材に映画を撮ろうと部員を集めた。この擬似恐怖体験をホラー映画にして、コンクール入賞を狙おうと意気揚々としていたのだ。映画部副顧問の陽子先生(田中涼子)を何とか口説き、深夜の学校内の撮影に挑んだ映画部の5名。その夜、校内で始めた「ひとりかくれんぼ」の儀式が壮絶な展開を撒き起こす事に……。
(GyaO)

 なぜだか日本ホラー界の一部でめちゃくちゃ人気の「ひとりかくれんぼ」を題材にしたホラー。一体何作あるんだってレベル。そんなに面白いネタでもないと思うんだけど……。

 なんとこの映画では「ひとりかくれんぼ」だといってるのに、映画部のメンバー「全員」が参加しだす(人形に全員の髪の毛を突っ込む)。「ひとり」じゃないじゃねーか。そもそもタイトルが成立していない。マジでかって感じ。新機軸すぎる。
 視聴者は既に異変が起き始めてると気づいてるのに、登場人物のほとんどが脳天気に「もっと撮らなきゃー!」とかふざけてたりするので、かなり温度差がある。それがすぐに改められるのならばまだわかるのだが、そんな調子で一時間近く(映画の尺の3/4近くだ)やられると、もはやイライラしてくるレベル。

 映画部の活動ということで、POV形式の映像がいくつか取られている。深夜の学校ということもあり、それなりに薄気味悪い映像は撮れてはいるのだけど……ホラー的なものはなかなか起きない。というか「定点カメラ」「手持ちカメラ」「監視カメラ」の映像まで使っておきながら、ところどころでいかにも映画的な第三者視点の映像を入れるのはなんでなんだろう。中途半端すぎるし、POVどころか大ネタ自体が台無しになってしまってる。
 あと音声が妙な途切れ方してて気持ち悪い(演出とかではなく、ただ単に音が変になってる感じ)。見てる環境に依るわけじゃないだろうし……。
 謎の幽霊の特殊メイクだけは結構怖い。あとは夜の学校を見たい人だけどうぞ。




ひとりかくれんぼ 新劇場版

(2010年公開 山田雅史監督) ☆☆☆☆☆
《2017-08-19》   

[呪い][学園][都市伝説][ネット]

呪いは続く 呪いは終わらない…

女子高生の河西栞は、音信不通の兄・元也を心配して、その家を訪ねたが、元也の姿はなかった。パソコンには、ひとりかくれんぼを既述したページが残されていた。元也の親友・白石龍二も栞とともに元也を捜す。ひとりかくれんぼと無縁だった栞と白石だったが、栞が白石にひとりかくれんぼのことを告げて以来、不気味な女の影がつきまいとい、怪奇現象が次々と起こる。実は、元也と白石が小学生時代、虐めていた黒川カオルという少女が廃校で行方不明になった事件に端を発していたのだった。
(Wikipedia)

 都市伝説の交霊儀式「ひとりかくれんぼ」を題材にしたホラー。
 いままで見てきた「ひとりかくれんぼ」をテーマにした作品全般に言える「ひとりかくれんぼはあまり関係ない」ということが、本作も同様に言える。ひとりかくれんぼは降霊術かあるいは自身に対する呪術なのだけど、本作はなぜかそこに「他人を呪える」という付加要素がついて、そこに過去の少女の怨念やら、振られたことの逆恨みやら、なんだかゴテゴテと雪だるま式に膨らんでいってしまい、もはやひとりかくれんぼが埋もれてどこに行ったのかすらわからない。ひとりかくれんぼを「他人を呪えるなにか」に置き換えても物語が成立してしまう。
 また、強引に「ひとりかくれんぼ」にいろいろな要素を追加した結果、ストーリーが入り組んでいってしまい、見ていてかなり理解しづらい話になっている。「何作も同じテーマの作品があって区別つかないよ、もう勘弁してくれ~」って感じはある。
 ホラー演出に関しては、序盤はちょっと良かったが、後半になるとダレてくるし、ラストは笑ってしまったので、単純なホラー映画として……。




ヒメアノ~ル

(2016年公開 吉田恵輔監督) ★★★★★
《2018-06-27》   

[鬱][狂気][暴力]

めんどくさいから殺していい?

ビル清掃会社のパートタイマーとして働く岡田は、同僚からカフェ店員・ユカとの恋の橋渡し役を頼まれる。彼女が働くカフェへと足を運んだ岡田は、そこで高校の同級生・森田と再会し…。
Amazon

 「行け!稲中卓球部」でおなじみの古谷実の漫画の実写化。
 序盤こそムロツヨシと濱田岳のボケたやりとりを中心にした恋愛の三角関係もの、といった雰囲気で、カフェの店員に惚れたムロツヨシとそのバイトの後輩濱田岳が彼女につきまとう男に立ち向かうという、予告映像の前半もそんな感じの恋愛映画の体で作られている。
 なのだが物語は、タイトルテロップの前後から大きくねじれ始める。先に惚れたムロツヨシを裏切りカフェ店員の女の子と付き合う濱田岳と、その彼女につきまとう森田剛演じる男の狂気を並列して描いていく。
 あまり内容には触れたくないので、とにかく黙って見てくれ。
 本作は「やりきれないほどに行き止まりだった青春」の話であり、同時にその延長の話でもある。明るい人生を歩んできた観客にはどうという話ではないだろうが、少しでも薄暗い部分があるならば、このラストはグサリと突き刺さるだろう。




ビンゴ

(2012年公開 福田陽平監督) ★★☆☆☆
《2015-08-09》   


これまでの死刑制度が変更されたことにより、ビンゴによって死刑判決が下されるようになった20XX年の日本。ある罪で収監された正哉(清水一希)は、殺人犯たちと共に巨大なビンゴカードの上に連れていかれる。マジックミラーの向こうでビンゴを操作する被害者家族の中に、正哉に視線を向ける真弓(松井咲子)がいた。真弓の手に委ねられた正哉の運命は……。
(シネマトゥデイ)

 山田悠介の原作小説の映画化。
 この作家の趣味の悪さは今に始まったことではないから、死刑執行に遊びが加えられることについては特に波風立てようとは思わない(まったく好きな作家ではない)が、今回は輪をかけてわけがわからない。

 ビンゴカードに乗せられた囚人でビンゴゲームをするわけだが、なぜわざわざそんなことをするのかがわからない。本気で更生したことを見極める必要があるのならば、くじ引き以上にまきぞえを食らいやすいゲームであるビンゴを採用する必要がまったくない。誰が誰に投票したかなんかも全部運なため、救う救わないなど背景描写のほとんどが無意味。心理戦みたいなものをやろうとしているのだが、この運だけのゲームでどうして心理戦が成立してるのかも正直まったくわからない。
 そういうわけで粗を探せばどんどん出てくる。
 映画としてもビンゴというゲームの性質上、テンポが悪い。登場人物も多い割に描き方がいまいちで、誰がどうなってるのかわかりづらい。

 ややフェアではなかったものの、オチだけは好みだっただけに、もったいない作品。オチとビンゴがまったく噛み合っていない。……とはいえ本作からビンゴ要素取ったらオリジナリティもなにもないのだが。






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