baseline和ホラー映画日和 せ

 赤々煉恋(2013) ★★☆☆☆
 絶叫(2012) ☆☆☆☆
 絶叫2(2012) ☆☆☆☆
 絶叫学級 (2013) ★★★☆☆
 絶恐体感キモダメシ (2014?) ★★★☆☆
 零 ~ゼロ~ 女の子だけがかかる呪い (2014) ★★☆☆☆
 先生を流産させる会 (2011) ★★☆☆☆
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01【口裂け女捕獲作戦】 (2012) [シリーズ] ★★★☆☆
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02【震える幽霊】 (2012) [シリーズ] ★★★☆☆
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03【人喰い河童伝説】 (2013) [シリーズ] ★★☆☆☆
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04【真相!トイレの花子さん】 (2013) [シリーズ] ★★★★
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章【真説・四谷怪談 お岩の呪い】 (2014) [シリーズ] ★★☆☆☆
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版 (2014) [シリーズ] ★★★★
 戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章 (2015) [シリーズ] ★★★★
 戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01【恐怖降臨!コックリさん】 (2015) [シリーズ] ★★★☆☆
 戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02【暗黒奇譚!蛇女の怪】 (2015) [シリーズ] ★★☆☆☆
 戦慄迷宮 THE SHOCK LABYRINTH (2009) ☆☆☆☆


赤々煉恋

(2013年公開 小中和哉監督) ★★☆☆☆
《2017-08-11》   

[幽霊][感動]

アタシを殺したのは、アタシ…
それから、アタシはひとりぼっち

自殺をして肉体を持たない存在になってしまった女子高生・樹里。死んでからも家や学校、街を彷徨っている彼女は、ある日ひとりの小さな女の子と出会う。
(Amazon)

 朱川湊人の短編集「赤々煉恋」の中の一本、「アタシの、いちばん、ほしいもの」を原作としており、なので本映画は「赤々煉恋」というタイトルとはあまり関係ない。
 土屋太鳳演じる「自殺した引きこもりの少女」が主人公で、要するに幽霊視点でストーリーが始まる。霊体である彼女は自殺しようとしている人の周りに「虫男」と名付けた奇妙な生き物が見えるようになり……という話なのだが。
 元々が短編だったものを一時間半ほどの映画にしているせいで、かなり間延びした展開が続く。劇的につまらないというわけではないし、十分面白いストーリーなのに、引き伸ばした感がすごい。オチに関しても、「ショートムービーだったらなぁ」というくらいの終わり方なので、長編映画で撮るのは微妙だったと思う。その一方で、「自殺」に対して思うところがある人にとっては、刺さるストーリーではある。
 
 虫男のデザインが「板野サーカス」で知られるアニメーター・板野一郎だったのは、予想外すぎて大笑いした。



絶叫

(2012年公開 永江二朗監督) ★☆☆☆☆
《2015-09-17》   

[幽霊][狂気][POV][廃墟][短編集][ゾンビ]

何度叫んでも、恐怖は終わらない!!

心霊現象から身近に潜む恐怖体験に至るまで、"絶叫"せずにはいられない衝撃エピソードが怒涛の14連発!最恐の逸話を映像化したオムニバス・ホラーの決定版!人気急上昇中の鉄道アイドルユニット"ステーション♪"が、恐怖に顔を歪める迫真の演技で熱演!
(mid-ship)

洗濯
 ある女性がコインランドリーで洗濯をしていると少女に出会う。日本ホラーって結構ランドリーもの多いよね……。
おじさん
 夜、エンストした車の中で女性が助けを待っていると……。
ポルターガイスト
 家で家事をしている女性が……。
12年後…
 生命維持装置にかけられていた女性が目を覚ますと……。
容疑者
 殺人の取り調べを受けている女性は黙秘を続ける……。
髪の長い女
 朝、髪の長い女がチャイムを押しまくっていた……。
ルームシェア
 ルームシェアしている女性が帰宅すると、部屋が散らかされていた……。
いとおしいから
 妊婦がひとりでハンバーグを食べている……。
葬儀
 実の母親が死に、義理の父親と暮らすことになった娘は……。
 夜、仲間たちが待つはずのロッジに来た女性は、誰もいないことに気づく……。
心理療法
 娘の引きこもりを治そうと、心理カウンセラーの女性を呼んだが……。この心理カウンセラーの先生かわいい。たかさきゆこさんというらしい。
登校拒否
 教師が登校拒否の生徒の家を訪れたが……。
同窓会
 同窓会の二次会で男女三人で宅飲みをしていると……。
REC
 若者四人で心霊スポットを訪れたが……。

 ホラーオムニバス集。なんというか、フィニッシングストローク的な感じが強い短編作品群。狂気ありの幽霊ありの奇妙な話ありの、バラエティ豊かではある。
 ネタとかシチュエーションはどこかで見たことがあるような気がしないでもないのが難。話自体は一部の設定に無理や破綻があるものの、可もなく不可もなくという感じ。ただ、ホラーとして素直な作りなだけあって、先が見えてしまったり、食傷気味になるのが問題か。ある話なんかは、タイトルと最初のシーンでネタがわかってしまう。そのくらいやってることがベタだし、話の前後でも似たような話が並んでしまってる。
 比較的面白いのは黒いオチと構図が光る「洗濯」。あとはどれも似たり寄ったり。



絶叫2

(2012年公開 永江二朗監督) ★☆☆☆☆
《2015-09-18》   

[幽霊][狂気][短編集]

何度も何度も叫んでも、恐怖は続く

心霊現象から身近に潜む恐怖体験に至るまで、“絶叫”せずにはいられない衝撃エピソードが怒涛の14連発が再び!!さらに恐怖度・衝撃度・トラウマ度を増した最恐の逸話を映像化したオムニバス・ホラー第2弾!
(Amazon)

 ホラーとしても、話としてもいまいち面白くなかった「絶叫」の、二作目。映像はそれなりに綺麗なんだけどね……。

山ガール
 山で迷子になった女性が山小屋を見つけ……。
隣人
 マンションの隣人がどうも子どもを虐待しているようで……。
2人は運命共同体
 女性が夜道、ひとりで歩いていると背後から……。
思い出せ
 女が目を覚ますと、男の部屋だった……。
お母さん
 夜中、目を覚ますと妙な音がした……。
心霊病院
 その病院ではよく幽霊が目撃されていた……。
公衆トイレ
 OLが夜、公衆トイレに入ると……。
残響
 彼氏に電話をするが通じなく……。
みずこ
 彼氏の子どもを妊娠してしまった女性が……。
見知らぬ訪問者
 レンタルビデオ屋で会員登録をしている女性が……。
ママの頑張り
 子育ての健康法のDVDを見た母親が……。
THE EYE
 目の見えなかった女性が手術をしたが……。
帰省
 実家に帰った女性が……。
クイズ
 霊感のある青年を仲間に入れて心霊スポットに行った若者たちが……。

 相変わらず先が見えてしまうのが映像作品として難。殺人鬼から逃げているのに全然細い木の影に隠れていて全然隠れられていないとか、妙な浅さも気になる。まったくオチが無いものや、どこかで見たことのあるものを薄めた感じのも多い。というかオチがない・意味がないものに関してはかなり酷い。
 あと根本的に似たような話ばっかり。よりによってなぜ「目を覚ますと」系とか、最後に凶器を振りかぶってキャー系とか、同じネタを何度もやってしまうのか……。ただでさえ先が読めてしまうのに、もう1/3くらい見ただけで既にもう食傷気味。
 オチは見え見えではあるが強いてまだ見れるものを挙げるのなら、マジキチ人間カーニバル「見知らぬ訪問者」、やや世にも奇妙な物語的なテイストのする「ママの頑張り」あたりのクズやDQNが活躍し、謎CGが笑いを誘う後半の方の話だが、あくまで比較的ってだけで、わざわざ見るほどのものでもない(一応、半分過ぎたあたりから開き直ったのか、少しマシになる)。
 ……なんか似たような話ばっかだなぁと思ったら、スタッフロール見るに七人くらい脚本がいるらしい。まとめるときに監督ツッコミいれなかったのかよ……。



絶叫学級

(2013年公開 佐藤徹也監督) ★★★☆☆
《2017-07-23》   

[幽霊][美少女][学園]

人間が、一番怖い。

12年前に命を落とした少女・黄泉に願いを伝えると、大切なものと引き換えに願いがかなうという都市伝説が伝わる私立女子高に通う加奈(川口春奈)。ささいなことで学校の人気者リオ(広瀬アリス)に目を付けられた加奈は、何とか解決するため黄泉の力を借りることにする。翌日、リオたち花形グループに仲間入りしている加奈だったが、代わりに友人の絵莉花(松岡茉優)がいじめられてしまい……。
(シネマトゥデイ)

 元々はいしかわえみによる少女漫画。「願い事を叶える代わりに一番大切なものを奪っていく」という、下半身のない幽霊を主軸にして、それをきっかけにして起こる少女たちの悲劇という形の作品(笑ゥせぇるすまん的な)。
 川口春奈・広瀬アリス・松岡茉優・山本美月・波留という「いま同じメンバー起用したらギャラがいくらかかるんだろう」という全方位型の美少女・美女を集めた本作。全く関係ないが、波留が女子校の先生役なのだけど彼女、実写版「マリア様がみてる」の祥子さまなので、「優美」と叫んだシーンが「祐巳」としか思えなかったよね……。

 女の子たちの楽しげな学園生活と対比するように、彼女らの陰湿さを描いている。というかかなり悪趣味ですらある。そういった意味で良くも悪くも非常に少女漫画的で、演出などもそれっぽさが出ている。……のだがホラーとして見て別に怖いわけではなく、「胸くそ悪い」という感じが強い。この手の邪悪な美少女好きには、十分楽しめるのだけれども。
 なお栗原類が映画初出演だったらしいんだけど、特に出てくる必然性がなかった(なんだったんだこの意味深さ)。





絶恐体感キモダメシ

(2014年公開? 白石晃士監督) ★★★☆☆
《2015-08-02》   


史上最恐!地上波絶対NGの絶叫体感コンテンツが登場!!体感型の映像お化け屋敷と戦慄の恐怖体感ドキュメント、2種類の恐怖を楽しめる超過激番組。この4つのエピソードあなたは最後まで見られるのか!?
(dTV)

 「肝試し」と「恐怖系アトラクション」を追体験できる一編4分程度の短編。

1【戦慄の恐怖ドキュメント】ラブラブカップルを襲う爆裂恐怖をカメラが撮っていた!
コワすぎで地上波絶対NG!! 過激指数1000%!!!化け物包丁女に追っかけまわされる激烈絶叫体験、配信限定の超極秘映像はコレだ![包丁女]
 一話はスタンダードなPOV作品。モキュメンタリーの作家・白石晃士だけあって、無駄や飾りっけのない単純な恐怖作品。

2【恐怖の映像お化け屋敷】恐威! 絶叫黒穴看護婦が迫りくる激コワ体感廃病院探検。
化け物指数10000%!!! 新感覚映像お化け屋敷が誕生!! あなたは最後まで見られるのか!?[悪夢病棟]
 二話目はうってかわってアトラクション風味の映像作品。不快指数がかなり高く、完全に白石の世界に取り込まれる。

3【戦慄の恐怖ドキュメント】幼なじみの廃校潜入映像が映し出すヤバすぎる恐怖!
絶叫指数100000%!! もはやキモダメシじゃない!!!白い幽霊女にひきずり回され地獄の衝撃体験。こんな恐怖映像見たことない!!![白い女]
 三話目はまたPOV作品に戻る。かなりビビる。

4【恐怖の映像お化け屋敷】怪異! 血管女が襲いかかる廃ホテル探検。異次元の体感映像お化け屋敷。
悪夢指数1000000%!! この夏、最後で最狂の絶叫体験はコレだ!!![血管女]
 四話目はまたもやアトラクション系映像。最後はいまいちだった。

 ショートストーリーならではのキレの良さがあるので、手っ取り早く恐怖体験をしたいひとにはオススメしたいところ。
 配信は2015/09/03までなので、注意を。





零 ~ゼロ~ 女の子だけがかかる呪い

(2014年公開 安里麻里監督) ★★☆☆☆
《2018-06-26》   


人気ホラーゲーム「零~zero~」を大塚英志原作、中条あやみと森川葵主演で映画化。山間部の女子寮で暮らすアヤが部屋にこもってから数日後、生徒たちが次々に姿を消し、水死体で発見される。少女たちはある写真を見て以来、アヤの幻に悩まされていた。
(Amazon)

 かなり前に見たのだが、感想かくの忘れてたわ。

 テクモの和風ホラーゲーム『零』シリーズを、オリジナルストーリーで実写化したもの。
 私はこのゲームシリーズのファンで、『紅い蝶』は五周くらいした。
 
 まずこのゲームシリーズ、シリーズ内でいくつかの共通点というか、一貫したテーマのようなものがある。
 一つ目は『和風』。ゲーム内で探索する場所は、古い日本家屋だったり、廃村だったりする。また古くから伝わる儀式に失敗したのが原因で、怪異が発生して主人公が巻き込まれたりする。
 二つ目は『射影機』。言ってしまえば特殊なカメラなのだが、このゲームは霊への攻撃に『撮影』という手段を採る。
 三つ目は『百合』、ガールズラブ。実のところシリーズ全てではないのだが、『紅い蝶』と『月蝕の仮面』がそんな雰囲気がある(『紅い蝶』は完全に姉妹百合ではある)。
 
 ではこの映画はどうかというと……。
 まず和風感はほとんどない。そも舞台がミッション系の女子校であり、どちらかというとゴシックホラー的な雰囲気が強い。儀式は一応あるものの、それは女の子の他愛のないお遊びみたいなものである。
 射影機もほぼ出てこない。写真は呪いのトリガーとして使われてはいるが、特にこのシリーズ特有の使われ方をしているわけでもないのが難。
 そして笑ってしまうのが、本作は零シリーズの映画なはずなのに、途中から大塚英志原作の漫画『黒鷺死体宅配便』が始まる。これは比喩とかではなく本当に、『黒鷺死体宅配便』のキャラクターが出てきて事件に取り掛かる。 
 どうしてこんな映画になってしまったかというと本作、実は原作を大塚英志が書いているからである。故に本作は途中から『黒鷺死体宅配便』にすり変わる。
 (地味に大塚英志は好きなので弁護しておくと)彼は原作小説のあとがきに「零シリーズの実写なんか誰も望んではいなかっただろうが、大人の事情なのでしかたない」みたいなことを書いている。商売としてはどうかと思うが、まあ望まれてないが誰かの意向を通さねばならない立場のしんどさが窺える。まあそんなことは視聴者には関係ないのだが。

 とここまで散々『零シリーズではない』ことを語ってきたが、要素があと一つ残っている。『百合』だ。
 これに関してはちょっと図抜けている。結果的に百合になったのではなく、呪いの方法からもわかるように最初から百合を指向している。『ミッション系の女子校での恋』は、あとから考えれば『憧れ』や『友愛』との混同だっただけなのかもしれないが、現在進行形の彼女たちと、そして死した少女たちにとっては、紛れもなく切実な『恋』なのである。そして本作の、全体に靄がかったような、それでいて美しい映像の作りはこのテーマには合っていた。
 
 零シリーズから和風と射影機とホラーを取って大塚英志を加えたら百合しか残らなかったような歪な作品ではあるし、ファン非ファンも、ホラー映画としても、喜べる出来ではないものの、かなりピンポイントな層には刺さるかもしれない(オススメはしないが)。

 こいつ零シリーズのときは早口になるな。





先生を流産させる会

(2011年公開 内藤瑛亮監督) ★★☆☆☆
《2015-07-30》   

[哲学][狂気][廃墟][学園]

最凶の、教育映画――。

郊外の中学校で教師を務めるサワコ(宮田亜紀)が妊娠し、彼女が担任を受け持つクラスの生徒たちは活気づく。そんな中、ミヅキ(小林香織)はサワコがセックスをしていることに異常な嫌悪を示す。やがて彼女は、自分が率いるグループで「先生を流産させる会」を結成、サワコの給食に理科室から盗んだ薬品を混入して流産を促そうとする。味の異変を察知して給食を吐き出したサワコは、ミヅキの仕業だと知って彼女と仲間を激しく戒める。だが、それを受けてミヅキは反省するどころか、より嫌がらせをエスカレートさせていき……。
(Yahoo!映画)

 実話を元にして描かれるということで話題となった問題作。ただし、登場人物は全員女の子に置き換えられている。一応私の趣味でこのサイトでも扱ってみたが、厳密に言わずとも本作はホラーではない。

 登場人物を少女にすることで、性行為や妊娠に対する嫌悪感を増やしている。確かにそれは成功している。その嫌悪感が物語を進める原動力になっている。
 しかし本作は、いうほど問題作ではない。この題材をテーマにしたことは問題があるのかもしれないが、物語としては非常に地味である。やってることは陰湿でえげつないが、絵的にもストーリー的にも、山場という山場がまったくない。映画としては一時間と短い方だが、話題性とテーマで押し切った感じがある。悪趣味でも面白いものでもなく、当たり障りなく終わって行ってしまったというところ。

 そういえば私も小学生の頃、卒業間近、担任女性の先生が妊娠していなくなったので色々と思うことはある。人間としては仕方のないことだし、当時は無邪気に喜んでいたり離別に悲しんでいた。しかし今思うとどうだったのだろうとふと考えることがある。そういったことを考えさせる機会としてはいい映画だとは思う。




戦慄迷宮 THE SHOCK LABYRINTH

(2009年公開 清水崇監督) ★☆☆☆☆
《2015-07-31》   


ある遊園地の巨大なお化け屋敷で行方不明になった少女ユキが、10年後の雨の夜、突然帰ってきた。ケンとモトキ、盲目の少女リン、ユキの妹ミユは戸惑いながらもユキを迎え入れるが、彼女は突然発作を起こし倒れてしまう。5人は病院へと向かうが、辿り着いた普通の病院は、次第に姿を変え、朽ち果て、まるで迷宮のような不気味な空間となった。閉じ込められた5人は10年前の事件の真相を身を持って体感する。2時29分、驚愕の一夜で目撃するすべての【正体】は?
(Amazon)

 実は本作から派生した『ラビット・ホラー』を先に見てしまったので失敗したな、という気はする。過ぎてしまったことは仕方ない。さて、気を取り直して同監督の『戦慄迷宮』。元々『戦慄迷宮』とは富士急ハイランドにあるお化け屋敷アトラクションから取られているという。
 映画館でなら3Dで見れたらしいが、DVDなので普通の平面。
 警察に捕まった青年の回想という形で本作は語られる。

 十年前に行方不明になった少女が、成長して突然現れたことから物語は始まる。主人公の青年の記憶に度々蘇る螺旋階段と少女の姿。謎の配置や過去と現在の繋げ方は面白い。謎の人物に引きづられていく少女など、気になりはする。

 しかしいかんせんまったく怖くないし、起伏がなさすぎて退屈である。
 引きづられていく少女の謎も、蓋を開けてみれば大して面白くもない……。しかも女の子ふたりは早々殺されて、残ったのが野郎ふたりだけになるというつらさっぷり。さらに同じようなシーンが何度も繰り返されるという苦痛。

 これでオチがまっとうに謎解きしてくれたならまだしも、よりによって一番微妙なオチ……。個人的に『ラビット・ホラー』はきっついなぁと思っていたのに、まさかそれを上回るほどきついとは思わなかった。







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