(キネマ旬報社)
乃木坂46×最恐都市伝説という企画で、主演は乃木坂46の伊藤寧々……といっても最近のアイドルに疎い私は誰だかよくわかってない。
本作は都市伝説である「一人の村人が突然発狂し、村民全員を殺して自らも命を絶つ」という事件のあった、地図から消された村を題材にしたホラー作品。
杉沢村での出来事ははじめ、投稿映像……POVという形で語られる。その映像はいかにも浅はかな若者といった感じでリアルさは出ていた。
しかし時系列がグチャグチャにされたり場面転換が多用されているため、かなり理解しづらく、物語を追うので精一杯で恐怖を感じるどころではない。といっても、話は当該都市伝説のままなので、さほど物語という物語もない……。
雰囲気はいい。しかし主人公の少女たちの移動するシーンや、意味深なだけのショットをはじめ、冗長な場面がかなり多い点もマイナス。
また「見せない恐怖」というのは手法として確かにアリなのかもしれないが、いかんせんそんなのばかりなので面白みに欠ける。そのせいで怖さも何もなくなってしまっている。
ラストのシーンもなぜそうなるのか説明不足感が否めない。アイドル映画らしからぬブラックなネタなのはいいのだが……。
ホラー映画としては面白くないので、伊藤寧々のファンくらいしか楽しめないのではないだろうか。
ああ、エンディングテーマが個人的に好きな小南泰葉だったのは評価点。