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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01【口裂け女捕獲作戦】 (2012) ★★★☆☆
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02【震える幽霊】 (2012) ★★★☆☆
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03【人喰い河童伝説】 (2013) ★★☆☆☆
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04【真相!トイレの花子さん】 (2013) ★★★★
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章【真説・四谷怪談 お岩の呪い】 (2014) ★★★☆☆
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版 (2014) ★★★★
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章 (2015) ★★★★
戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01【恐怖降臨!コックリさん】 (2015) ★★★☆☆
戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02【暗黒奇譚!蛇女の怪】 (2015) ★★☆☆☆


戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01【口裂け女捕獲作戦】

(2012年公開 白石晃士監督) ★★★☆☆
《2017-08-13》   


ある映像制作会社に送られてきたテープには、トレンチコートを着た長髪の女が映っていた。その容貌は、都市伝説“口裂け女”そのもの。その真相を確かめるため、取材班は調査に向かうのだが…。
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 一作目は口裂け女がテーマ。若者が奇妙な女を映していたら、その女に追いかけられたという投稿動画の検証をする。本シリーズはすべて、このような投稿からストーリーが始まる。
 一応モキュメンタリーなのだが、登場人物(特に工藤D)のキャラがあまりに濃すぎて、リアリティは全くない。元より、モキュメンタリーとエンタメ性を秤にかけて、物語としての楽しさを選んだシリーズなのでそこを楽しむのが吉。
 それにしても後のシリーズ全般(というか白石晃士作品全般に言えるが)怪異の差し込み方がかなり安っぽい。しかしこれでも後のシリーズの中では比較的怖い方でもある。





戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02【震える幽霊】

(2012年公開 白石晃士監督) ★★★☆☆
《2017-08-13》   


投稿者から送られてきた映像に映っていたものは、闇の中で異様に震える女の姿だった。人間なのか、それともこの世のものではないのか。“震える幽霊”の正体を確かめるため、取材班は件の廃墟へと向かうが─。
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 若者が廃屋に忍び込んだときに襲われた怪異を映した投稿動画の検証が、二作目の主なストーリー。
 テーマは『震える謎の幽霊』だが、ストーリーは予測できないまさかの展開に転がっていく。ゲスト的なキャラクターが都合よくその幽霊に関係があるという、モキュメンタリーで扱うと『いくらなんでもご都合主義だろ』というネタを使えるのがこのシリーズの強みか。
 本作がやや尻切れトンボで終わるのは、このあたりから「シリーズ全体の謎」とでも言うべき伏線になっているから。後の世界観の把握にも重要な回なので、シリーズを追うのならば必ず見なければならない一本。





戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03【人喰い河童伝説】

(2013年公開 白石晃士監督) ★★☆☆☆
《2017-08-13》   


ある池の中から現れた異形の生物を映した映像が投稿される。状況証拠から、これは日本古来の妖怪・河童だと推測した取材班は、投稿者と共に映像の収められた池へと向かうのだが…。
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 カップルが沼で釣りをしていたら奇妙な生き物に遭遇した投稿動画の検証。
 このシリーズは『怪異に対して暴力で解決する』という、ホラー映画ではなかなか珍しいタイプなのだが、今回はやや消化不良で終わるのが残念(本作に限ったことではないが、殊更なんともいえない感じで終わる)。また、のちの続編を見ると意味がようやくわかるシーンが存在するが、そこまで重要な情報でもないのも……。





戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04【真相!トイレの花子さん】

(2013年公開 白石晃士監督) ★★★★
《2017-08-13》   


廃校のトイレから飛び出してくる“なにか”が映った映像が投稿される。廃校の前、その学校では「トイレの花子さん」の噂が囁かれており、取材班はその真相を確かめようとするが…。
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 廃校が決まった校舎に忍び込んだ二人の少女は面白半分でトイレの花子さんに語りかけて……という投稿動画。
 メインとなるテーマは『少女の友情』というわかりやすいものの一方で、やっていることはかなり実験的な作品になっている。本作はモキュメンタリーでありながら意外とよく出来たSFものであったり、登場人物が異世界に飛んだりする。ここまでふっとんだフェイク作品はそうそうないだろう。
 このSF要素は一見ノーカットのように撮影されており(実際は割られている)、この手法は『ある優しき殺人者の記録』でも活かされている。またこの作品自体が、シリーズ全体を貫く要素の伏線になっている。必見である。
 強いて欠点を挙げるなら、実はみんなの知っている「トイレの花子さん」とはあまり関係ないことだろう。





戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章【真説・四谷怪談 お岩の呪い】

(2014年公開 白石晃士監督) ★★☆☆☆
《2017-08-13》   


「四谷怪談」を扱った映画のワンシーンに、顔が腫れた女性のような姿が映っていた。主演女優と連絡が取れなくなっていると聞き、取材班はその女優の家へ向かうが…。
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 今回は低予算で撮られた青春映画に映った怪異。
 言ってしまえば後の『劇場版』の前置き的な立ち位置で、劇場版を見るにあたって必要な情報の開示や、過去作の復習も兼ねている。
 本編としては、おなじみの怪しい霊能力者が出てきてお岩さんに憑かれた市川ADの除霊をするという、エクソシストっぽい作りになっている。……のだが、正直あまり目新しいものはない。ここから直接劇場版に繋がるので、見る必要はある。





戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版

(2014年公開 白石晃士監督) ★★★★
《2017-08-13》   


ディレクター工藤の元に届いた投稿者からの映像。そこに映っていたのは、ネット界隈で話題騒然の“タタリ村”足を踏み入れた者は、全員発狂し、その姿を消してしまうという取材班は、その真相を確かめるべく調査に向かう。果たして、山奥の廃村に隠された恐るべき真実とは?!
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 今回は訪れた人々は発狂して消えてしまうという山奥の廃村・タタリ村を訪れるコワすぎスタッフと、ゲストたち。
 本作は劇場版だけあり、妙にスケールの大きな話になっていく。ここで少し明かしてしまうが、このシリーズ(と白石監督作品のいくつか)は『和製クトゥルー』とでもいうべきか、背後に共通した超越的存在がいる。過去シリーズの怪奇現象を、上手く撚り合わせて一本の『神話』のようにする手法はなかなか面白い。
 またシリーズのファンならば気になっていたであろう『もう一つの謎』も解答が得られる。この答えの出し方は、伏線が驚くような部分にあったりとなかなか攻めながらも、でも丁寧に張られていてよかった。
 ホラー演出は(貼り付けたようなCGのシーン以外は)結構がんばっており、ゲスト二人の発狂シーンはなかなかに気持ち悪くてよかった。それ以外のCGの安っぽさに関しては、まあもうそういうものだと割り切ってしまうしかない。





戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章

(2015年公開 白石晃士監督) ★★★★
《2017-08-15》   


前作の出来事から1年半後。異世界に飲みこまれた工藤と市川は、今もまだ行方不明となっている。そしてそれと同時に、突如新宿の上空に出現した《巨人》。政府当局が調査した結果、危険性は無いと判断され、現在はその異様な存在を無視して人々は生活を送っている。一方、ひとり現世に残された田代は、《巨人》の謎を解明し、工藤と市川を救い出すために調査を続けていた…。
(Amazon)

 ひとまずのシリーズの一区切り、最終章である本作は唯一残ったカメラマンの田代が『生配信』という形で行う。
 まずは過去作と登場人物の説明を行うので、未見の人にも優し……くは別にない。
 いままでは記録者であり傍観者だったカメラマンの田代が工藤と市川を復活させるために、そのツケを払わされるかのようにひどい目に遭う。
 
 この作品は過去の「コワすぎ」シリーズの登場人物や、他の白石晃士作品のキャラクターが何人か(一部は演者が同じだけくらいの扱いだが)出てきたりと、ある種氏の集大成的なものになっている。いままで世界観を地道に繋げていたからこそできたことである。そして前回の劇場版で尻切れトンボ的な終わり方をした『怪異』の解決もなされる。この部分は、いままでこのシリーズを見てきたからこその、謎の感動があった。
 低予算であることからのチープなシナリオ『に見えていた』部分が寄り集まっていき、要素と要素が――作中の言葉で言うなら『因果』が――繋がっていき、物語を作っていく。モキュメンタリーのリアルさを犠牲にしつつ、それでも「モキュメンタリーであること」を利用して、最大限のエンタメ性を獲得している稀有な作品群だった。
 
 ただ、いまさらだけど別に怖くはない。
 それと、本作を見る前に出来れば『オカルト』は見ておいて欲しい。





戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01【恐怖降臨!コックリさん】

(2015年公開 白石晃士監督) ★★★☆☆
《2017-08-19》   


シリーズを「超コワすぎ!」と改め、その第1弾の取材対象に選んだのが「コックリさん」。女子高生2人組から送られてきた映像には、コックリさんをする彼女たちに起こった、衝撃的な出来事が収められていた。
(Amazon)

 前作でストーリーが行き着くところまで行ってしまったので、タイトルに『超』をつけた新シリーズの一作目。本作がどのような立ち位置にあるかは、序盤の各作品紹介などをよく見るとわかるようになってる。
 過去シリーズは一連の物語の伏線配置みたいな役割だったので、単巻で見ると釈然としない終わり方などをしていたが、今回は単体で完結しつつも伏線を撒いている構造になっている。
 単発のシナリオとしての完成度は高いものの、吹っ飛んでいた前作までを見てしまうと普段通りのホラー演出の微妙さも相まってやや地味。前シリーズまでとの違いを楽しみながら見るのがおすすめ。





戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02【暗黒奇譚!蛇女の怪】

(2015年公開 白石晃士監督) ★★☆☆☆
《2018-01-03》   

[美少女][感動][怪物][モキュメンタリー][感動][投稿動画][狂気]

鬼才・白石晃士監督が放つ、無双の衝撃映像!

全国の都市伝説や心霊現象をテーマにしたDVDを制作する映像会社のディレクター、工藤(大迫茂生)のもとに、櫻井という男から投稿映像が送られてくる。映っていたのは、田舎町の川沿いに立つ不思議な雰囲気の美女。櫻井はその女性、川野つぐ巳の家で恐ろしい光景を目にしてしまう。そして、つぐ巳を助けたいと相談を受けた工藤は、櫻井の取材を行うべく彼のもとへと向かう。
(シネマトゥデイ)

 リニューアルというか、一度話がリセットされた『超コワすぎ』のシリーズ二作目。本作は投稿者映像が尺の半分近くを占めている点、シリーズで初の恋愛映画であるという点が、いままでとは少し異なる構成になっている。
 これらの違いはあるものの、あまりやっていることがいままでと変わりなく、むしろラブストーリーに焦点を合わせた弊害でレギュラーメンバーの描写が少なくなっている部分もある(特に田代はほとんど何もしていない)。ただラブストーリーで評価しようにも、ヒロインが主人公(?)を評価する描写がちょっと弱いので、あまり感情移入は出来なかった。ある種、モテない男の願望というか、都合の良さを感じてしまう。
 やや食傷気味になってしまっている点もマイナス。工藤の言葉はちょっと感動した(感動?)ので、いい部分はあったのだけど……。





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