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マーダーフィルム ストーカーに狙われたメイド (2013) | ★☆☆☆☆ |
マウント・ナビ (2014) | ★★☆☆☆ |
真木栗ノ穴 (2007) | ★★☆☆☆ |
眼-まなこ- (2014) | ☆☆☆☆☆ |
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マーダーフィルム ストーカーに狙われたメイド
(2013年公開 岡崎喜之監督) ★☆☆☆☆《2017-06-30》
メイドを監禁するストーカー男を描いたサスペンス。両親の遺産で気ままに暮らす正志は、メイド喫茶で働く法子に夢中になる。彼女が恋人と同棲していることを知り逆上した正志は、法子を拉致し自宅に監禁。拘束した彼女の洋服を切り刻み始め…。
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なんで借りたのかよくわからないセクシー女優のホラーっぽいDVDシリーズ。まあせっかく見たのでレビュー。
ちなみにこれ、本編自体は15禁だが、「特典映像」として本編+エロシーン有り版が収録されている。こちらは普通のAVなので18禁となっていることに注意。ちゃんと年齢確認画面が出る。
メイド喫茶を出禁になったストーカーが羽月希を監禁するという話。監禁されているときはだいたい全裸なので、シチュエーションも相まって謎の背徳感がある。オチが少しゾッとするのでギリギリ広義のホラーだとは思う。
本作、ストーカー役の人が圧倒的に気持ち悪い演技をしていて、AVというジャンルも相まって謎のアングラ感を醸し出している。
とはいえ、別にすごい面白いというわけでもなく、かといってつまらないわけでもないという何とも言えない感じなので、「えっちなビデオが見たいけど、普通のAVじゃ物足りない! サイコホラーAVをくれ!!」というちょっと捻れた性癖の人か、羽月希のメイド服が見たい人にオススメできるくらいで、ここはひとつそういうことで。
マウント・ナビ
(2014年公開 千葉誠治監督) ★★☆☆☆《2017-07-18》
自主制作映画を撮影するため、不吉な“なび山”に入った男女のグループが惨殺死体となって発見される。残されていたビデオカメラには、謎の飛行物体を突き止めるため山奥へ向かう彼らの映像が残されていた。
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山奥に残されたカメラのハードディスクの映像を再編集したというPOV作品(言ってしまえば設定がほぼブレアウィッチともいう)。ホラー映画の撮影で山を訪れた撮影班が、発光体と叫び声に遭遇し……という話。「遊び半分で山に入るな」と忠告する謎のおっさん。次第にギスギスしていくメンバーたち。
撮影にこそ(おそらくそんなに)お金がかかっていないのだが、ゴア表現の美術関係にはなかなか力が入っている。POVという性質で時々気になることのあるアングルやシーンの問題も、そこまで気にはならないのでよく撮れてはいると思う(カメラ停止時のエフェクトがかなり嘘っぽいが)。
……のだがあらすじからはわからないが、本作は幽霊などが出るホラー映画ではない。そういうタイプを期待していると、謎の発光体が現れたあたりから「ん??」となるだろう。その正体はかなり脱力系の存在で、人によっては怒ってしまうかもしれない。
人にはオススメしないが、バカ映画寄りのキャラクターと、パニックになった撮影班のいざこざは個人的には楽しめた。
真木栗ノ穴
(2007年公開 深川栄洋監督) ★★☆☆☆《2018-06-26》
売れない小説家・真木栗の下に官能小説の依頼が舞い込む。しかし、官能小説など書いたこともないため筆が進まない。ある日、彼は部屋の壁に隣室を覗き見ることのできる穴を発見し…。
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こんな評価に困る作品も久々な気がする。というか西島秀俊の今昔という感じのレビューになってしまったな……。
原作は山本亜紀子の『穴』という小説。精神が不安定な売れないミステリ作家が、ボロアパートの無人の隣室へと抜けた穴を見つける。その直後、その隣室に美女が引っ越してくる……というのが大筋ではあるのだが、この説明では不十分で、映画の特徴を上手く伝えきれないだろう。
本作はホラー映画ではあるものの、恐怖というより『怪奇・幻想』に重きを置いた雰囲気で、そこに恋愛映画や官能小説的なエッセンスが強く加わっている。主人公はミステリ作家ではあるが、急遽官能小説を書かざるを得なくなり、そこで隣に空いた穴とその先の美女をモデルにして、倒錯した官能ものを書き上げようとする。
この作品、序盤のあまりにもシュールな、狙っているのかよくわからないやりとりが退屈なのが難。だがストーリーが進み、何が現実か、何が小説家の妄想なのか、あるいはこれは小説の世界なのか、そのあたりの境界が滲み狂い、何かが起き始めるあたりからは、この手のタイプ特有の作品の良さがある。
個人的には後半の酩酊するような筋立ては嫌いではないものの、決して人に勧められる映画でもないのも確か。あまりにフラフラとよろけるような話なので、人によっては怒りだしてしまうかもしれない。なんとも評価に困る映画。
(まあ、この監督、ホラーの人じゃないので、そのあたりは……)
眼-まなこ-
(2014年公開 菱沼康介監督) ☆☆☆☆☆《2018-06-28》
卒業を控えた女子高生エイミは食物アレルギーで死にかけた際、死んだ姉の存在を感じる。エイミは霊能力者に相談し、姉の幽霊との交信を試みたり、霊感のある友人のスズカにも協力してもらい、亡くした姉との再会を求め、心霊現象の撮影にのめり込んでいく。一方、友達4人で行った卒業旅行では、アイに異変が起き…。一体、この視線は誰なのか?ジリジリと「眼」を感じる青春体感POVホラー作品!
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これは長編でやるべき話ではないし、ホラーとして宣伝するべきではない。
ハンディカムで撮られた作品で、たしかに全編POVではある。しかしだからといって、死んだ姉に向けたビデオレターを延々一時間以上見せられるというのはきついものがある。途中、一応伏線らしきものはあるものの、そのほとんどが女子高生の卒業旅行のホームビデオである。
女子高生が未来への不安を乗り越える話としてならば構成は納得行くのだが、友人たちとの旅行を自分の都合で行き先決めておきながらそれがきっかけで仲違いを起こし、そしてなぜかいい話風にまとまるのを青春と言われても……。
唯一、最序盤に出てくる霊感少女が一番キャラが立っていて、せめてこの女の子が活躍するのではと期待していたのだが、中盤からは一切出番がなくなるので、なぜ出したのか。
見ているのが本当にしんどかった映画は久々。