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前に出た都市伝説モチーフの24本のショートショート集とは異なり、本作は一本25分×3編のオムニバスとなっている。収録されているのは『青い指輪』『赤い部屋』『ひきこさん』と前回の円盤と重複したものだが、タイトルとモデルだけで内容はまったく違う。
というかこの作品、実は『アイドル都市伝説』という過去に放送したホラードラマの短編をDVD化したものらしい。主役がみんなアイドルなのはそういう経緯がある。
青い指輪
POVタイプの作品。サークルのメンバー四人で殺人事件の起きた空き家に忍び込む話。
空き家のわりには散らかっているだけで綺麗だとか、気になる部分は結構ある。が、カメラの使い方が妙にリアルっぽくて地味な怖さや気味悪さもまたある。後半は更にスリルが増し、なかなかにいい出来。
赤い部屋
新たに引っ越してきた部屋には、隣の部屋に繋がる穴があって……という感じの話。謎の百合ホラー。なんの脈絡もなく百合ホラー。
モデルになったネタは知っているはずなのに、何が起きるのか、あるいは何が起きていないか。それすらよくわからないという意味ではすごく怖い。
ひきこさん
主演がアフィリアのコヒメ・リト・プッチ! アフィリアのコヒメ・リト・プッチじゃないか!!
写真部の部室に奇妙な扉があり、そこにはひきこさんが住んでるという……。
これに関しては特にコメントはない。
どの短編も独特の色使いで、不気味な異界を描き出すことに成功している。都市伝説の焼きまわしではなく、解釈やオチにひと捻り加えている点もなかなかよい。
全体的なかなりの安っぽさは否めなく、アイドル抜擢故の演技の危うさも気になるが、そこに目を瞑ればそこそこの予算の中ではかなり頑張っている。積極的には勧めづらいが、そこそこに面白かった一本。
カタリヤ ほんとにあった都市伝説
(2013年公開 宮本拓、小川和也監督) ★★☆☆☆
《2017-07-04》
いまだ語り継がれる都市伝説に隠された真実の恐怖が再び! ! 『ほんとにあった! 呪いのビデオ』スタッフが贈る最恐ホラー第二弾!
誰かの死や怪我、誘拐や悲劇、猟奇殺人、幽霊話。それらは形を変え、都市伝説として多くの人々に長い間、日々のうねりの中で語り継がれてきた。それは、ただの噂話、作り話ではなく、本当の真実なのかもしれない! 恐怖の都市伝説3話をドラマ化! 美少女たちの悲鳴と絶叫が再びここに、こだまする!
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これも
『カタリヤ 都市伝説の女』と同様、『アイドル都市伝説』という番組から『猿夢』『輪廻転生』『ドッペルゲンガー』の三篇を抜粋したもの。
猿夢
不気味なチンパンジーのシンバルのおもちゃが出るなどはあるが、設定自体は実際の都市伝説にアレンジを加えたものになっている。サイコスリラー的でもあるが、ナイフがぐにょんぐにょん曲がっていたのには脱力。主人公の女の子の眼鏡バージョンがとても可愛いが、時々しか眼鏡をかけない。
輪廻転生
緑色の赤ん坊を巡る男女と母の物語。多分「次は落とさないでね」の都市伝説がモデルなのだが、ほとんど原型はない。構図自体は面白い。
ドッペルゲンガー
歌の下手な歌手と、「出会うと死ぬ」というドッペルゲンガー。ネタがベタすぎるし、オチもちょっと狙いすぎてて微妙。この話、ドラマでの最終話のようなので、おそらく余韻を持たせたかったのだと思うのだが……。
ホラーというより、奇妙な物語集のような感じの三本。比較的直球のホラーだった『都市伝説の女』とはそういう風なタイプで分けたような形になっているのだろうと推測できる。前作のようなホラーを期待して見ると微妙になってしまう。