baseline和ホラー映画日和 ち

 チェーン 連鎖呪殺(2005) ★★☆☆☆
 着信アリ(2004) [シリーズ] ★★★☆☆
 着信アリ2(2005) [シリーズ] ★★★☆☆
 着信アリFinal(2006) [シリーズ] ☆☆☆☆


チェーン 連鎖呪殺

(2005年公開 本田隆一監督) ★★☆☆☆
《2015-09-15》   


携帯電話を介したチェーン・メールを巡る底なしの恐怖を描いた「チェーン」に続くシリーズ第2弾ホラー。監督は「東京ハレンチ天国 さよならのブルース」の本田隆一。仲良し4人組女子高生、サキ、亜佐美、千花、頼子。ある日、頼子の携帯に不気味なメールが届く。それは、身ごもった17歳の橘あゆみを暴行し胎児もろとも殺害した男たちに復讐するためのメール。「12時間以内に9人に回さないと犯人とみなして殺す」と締めくくられていた。サキたちに相談した頼子は、ただのイタズラというサキの言葉を信じてそのメールを消去するのだったが…。
(allcinema ONLINE)

 佐藤佐吉脚本の、いわゆる「着信アリ」的な携帯電話もののホラー。2005年というなんとも微妙な年代で、登場人物が中途半端にギャルっぽい。
 「キミ、犯人?」と、チェーンメールを止めた人間が死んでいく。実はこのチェーンメール、知ってるひともいるのではないだろうか。一時期本当に流行った「橘あゆみ」というものだったりする。ほぼそのまま文面が使われており、「もしこのチェーンメールが現実だったら」という感じで物語が進む。
 登場人物にわりとデンパが多い。「あんたたちの携帯電話から出てくる電波が頭のなかに!」と他人の携帯電話を叩き割る少女(あまり話に関係ない)や、気が狂って一家皆殺しにして自殺した少女(あまり話に関係ない)、ヤンデレレズ医師(これは関係ある)など、なかなか濃い登場人物が出てくる。

 この手のホラーにしては珍しく、最序盤で呪いの元凶がほとんど明かされる。そして後半、その呪いの発信源を超テクノロジーで特定する。かがくのちからってすげー!
 しかし(というべきか、やはりというべきか)いかんせん、演出も演技の安っぽい。携帯電話の画面は思いっきり携帯電話の静止画+ハメコミ合成だとわかってしまうし、女子高生が叫ぶシーンや襲われるシーンはなんともシュール。そして結構陰惨な事件が起きているのに、登場人物は妙に達観していて全体的にゆるゆる生きている。

 本作はホラーとしても物語としても、正直おもしろくはない。ぶっちゃけ話もかなり行き当たりばったりで無茶苦茶だし、最後には話を放り投げる。……だが、登場人物のシュールな会話や演技はなぜか憎めなく、人によっては笑える馬鹿映画になるかも知れない。意外と頑張ったなあという感じのやや画期的なスプラッタ描写もあるし、少し驚く展開もある(無茶苦茶なのは変わらない)。根本はB級なので積極的におすすめはしないが……。
 ちなみにこの主人公である沢井美優さん。実写版セーラームーンで北川景子と共演していた女優さんである。





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