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着信アリ

 着信アリ(2004) ★★★☆☆
 着信アリ2(2005) ★★★☆☆
 着信アリFinal(2006) ☆☆☆☆


着信アリ

(2004年公開 三池崇史監督) ★★★☆☆
《2015-08-27》   

[呪い][幽霊][病院][音楽がいい]

3日後の自分からの着信。
残されたメッセージは死の予告。
あなたの携帯にも「死」が届く。

由美(柴咲コウ)は友だちの携帯が奇妙な着信音で鳴るのを聞く。着信記録は3日後。携帯には彼女自身の声で悲鳴のような留守録も残されていた。そして3日後、彼女はメッセージと同様の悲鳴をあげ、死んでしまう。
(シネマトゥデイ)

 原作が秋元康の、今ではなんとも懐かしい雰囲気になってしまっている厚みのある携帯電話をテーマにしたホラー映画。
 着メロ……懐かしい響きだ。「自分自身の電話番号からかかってくる」とか「着信があったら死ぬ」のパターンは、この映画から爆発的に増えた感じがある。確かに携帯電話のメモリーでの伝染、というのは面白いネタ。
 開始十分でさっそくインパクトの強いホラー的な怪死が起こるのは、やっぱりいいね。視聴者を一気に引き込ませてくれるのは手堅く上手い。

 しかし一部(特に後半)、画面が暗くて何が起きてるかわかりづらいのが難。不気味さと天秤にかけてどっちを取るか、という感じなので、仕方ないのはあるが、それにしても何やってるのかよくわからない。
 よく「リング」や「呪怨」のパクリなんか言われたりするけども、まあ、この手の話はテンプレートというか、とまれベタではある。一応変死描写は色々とバラエティ豊かに作られてはいるが、中盤中だるみしてしまう。
 ラストあたりも、せっかく途中まで理詰めで迫っていた作品なのに、それをぶち壊すかのようにただのインパクト重視のモンスターホラーと感情論で強引に解決するのがかなりもったいない。真犯人(というべきか)が判明するきっかけも無理矢理作られていて整合性がほとんどない。

 ホラー映画としては深く考えなければそれなりには怖いシーンもあるのだけど、さほど目新しいわけでも、すごく面白いわけでもないという、なんとも微妙な作品。
 歌手としての柴咲コウのファンだったりするので、EDの「いくつかの空」は良かった。




着信アリ2

(2005年公開 塚本連平監督) ★★★☆☆
《2015-08-27》   


保育士の杏子(ミムラ)の携帯が“死の予告電話”のメロディで鳴り響いた。一連の死の着メロ事件を追うルポライター孝子(瀬戸朝香)と恋人の尚人(吉沢悠)らの協力で、謎の鍵が台湾にあるらしいことを杏子は突き止めるが……。
(シネマトゥデイ)

 携帯電話で伝染する死を描いたホラーの第二作目。まあ、前作で何も解決してないからね……。一年くらい後の話らしい。ちなみに前作の主人公は行方不明になっている。
 開始十分でやっぱりテンポよく一人目が死ぬが、前作とは大きくルールが異なっている。この差異は一体何か……というのが本作の見どころだろうか。一応、前作の大まかな復習がされるので、見てなくてもなんとかなる。
 なんでか分からないが中国人が大量に出てくる。どうやら事件はずっと以前から台湾でも起きてるとか。調べが進んでいくと、色々なことが台湾に関係あるということが判明する。前作の設定をどんどんと上書きするように、あらゆることが台湾に繋がっていく。すべての道は台湾に通ず。なんでさ。

 すごくどうでもいいが、このキーポイントとなる台湾の炭鉱、実は北海道の夕張だったはず(撮影があったちょっと後に、高校の研修旅行で行った)……なぜここまで台湾に繋げときながら、そこで……。

 この作品のなにがすごいって、前作の設定をちゃぶ台を返すが如く華麗に無茶苦茶にしてる点。それを面白いと好意的に見るか、単に食い潰してると見るかは人に依りそう。本当、前作の出来事はなんだったのかというレベルで、設定を尽く塗り替えていく様はある意味圧巻(行き当たりばったりで設定を変えてるともいう)。
 それでいながらホラー映画的にもストーリー的にも、あまり前作と変わり映えしない。やってることはほとんど同じこと。まだFINALが残ってるから何ともいえないが、ぶっちゃけ前作か今作のどちらか片方見ればいいんじゃないかな……個人的にはストーリーは2の方が好きかもしれない。
 オチ自体はまあまあ嫌いではないけど、伏線がないのがなぁ……。

 あと結局、舞台が台湾だったとか、台湾に関係したとかいう設定にする物語的必然性はほとんどなかった。すごくどうでもいいけど、廃炭鉱でライター使うのって危ない気がする。



着信アリFinal

(2006年公開 麻生学監督) ★☆☆☆☆
《2015-08-28》   


高校の修学旅行で韓国に行くことになった草間えみり(黒木メイサ)は、インターネットで知り合った韓国人の男友達アンジヌ(ジャン・グンソク)に会えることを楽しみにしていた。そんな中、旅行の最中にクラスメートの携帯から聞き覚えのある着信メロディが流れ出す。それは鳴れば必ず死に至る、あの“死の着メロ”だった。
(シネマトゥデイ)

 携帯電話で伝染する死の恐怖を描いたホラー映画の三作目にしてFinal。主演は最近結婚したことでお馴染み(つらい)の堀北真希。
 なんでかわからんが前作は台湾が舞台になっていたこのシリーズ。本作もやっぱりなんでかわからんが、韓国に向かう船から物語は始まる。「あー、韓流ブームだったっけ?」という感じだ。まあ、案の定韓国は関係ないんだがな! 金のにおいがプンプンする。

 開始十分で早速死の予告着信が流れる。理由はわからないが、死の着信が電話じゃなくてメールになってる? 着信があると受話器を耳元にやるのに、画面では「受信メール」とか表示されてる。結局見てても電話と言われたりメールだったり、どっちだかよくわからない。
 堀北真希によるジェノサイド、転送すれば死なないという押し付け合いのルールはまあまあいいネタではあるのだが、いかんせんホラーやスプラッタ描写がかなりしょぼい。どんどん死に方が意味不明になっていく。
 登場人物の年齢層が低いせいかルールのせいか、基本的に登場人物がいちいちうるさく胸糞悪い性格ばかり。仕方のないことなのかもだけれど。
 それにしても、解決法がどっかのアニメの劇場版で見たことあるネタまんまでかなり萎える。といっても某作よりテンポも悪く盛り上がりは無く、ラストあたりはかなりグダグダ。なぜか大爆発するし。

 というわけでFinalなのだが、目新しい展開も無ければ、新しく語られることも特にないので、見る必要はあまりない。
 堀北真希の結婚祝いと、あとラストの百合っぽさに★1。



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