baselineカテゴリ/シリーズ遺物

シリーズ遺物

 遺物 未解決事件流出証拠検証記録 Vol.1 遺品 (2009) ★★★☆☆
 遺物 未解決事件流出証拠検証記録 Vol.2 呪いのエレベーター (2009) ☆☆☆☆
 遺物 未解決事件流出証拠検証記録 Vol.3 トンネルに消えた子供たち (2010) ☆☆☆☆


遺物 未解決事件流出証拠検証記録 Vol.1 遺品

(2009年公開 白川士監督) ★★★☆☆
《2015-08-06》   


韓国で発表された、日本国内で起こった未解決事件の証拠映像群。果たして、あまりに恐ろしいその証拠映像は真実なのか、偽物なのか。驚愕の真実が未解決事件の真相を暴く……。
(Amazon)

 フェイクドキュメンタリー作品シリーズの一作目。失踪し行方不明となった男女の残した、警察から流出した映像と取材ノートをナレーションと共に流す。
 隣室から喘ぎ声と共に巨大な物音がしたことをきっかけに、事件に巻き込まれる様をPOVで描かれている。なぜかカメラが撮影者より前に前に構えられているため、結構な臨場感はある。
 POVとしては迫力があるものの、しかしフェイクドキュメンタリーものとしては現実味にやや欠ける。撮影されるはずのないアングルなどがちょくちょく出てきて、モキュメンタリーとしては失敗してしまっている。

 結末は、この手にお決まりの「真相は藪の中」のパターン。要するにシリーズ「放送禁止」のような終わり方だが、例と決定的に違う点がある。それは本作はあくまで霊的なものが存在することが前提となっている点だ。当該シリーズのようにすっきりはしない。
 本作はフェイクドキュメンタリーとしてやや失敗していること、霊的存在前提であることが了承できるのならば、それなりにインパクトのあるホラー映画に仕上がっている、なんとも惜しい作品。

+クリックでネタバレ感想



遺物 未解決事件流出証拠検証記録 Vol.2 呪いのエレベーター

(2009年公開 山田勇人監督) ★☆☆☆☆
《2015-08-06》   


不倫の結果、手に入れた男性が失踪行方不明に。エレベーターの監視映像に写った元妻とのラブシーンが彼の最後の目撃情報となった。元妻を不審に思った女性の渾身の追跡記録は、とてつもなく恐ろしい事実につきあたる。果たして、その証拠映像は真実なのか、偽物なのか…。
(Amazon)

 フェイクドキュメンタリー作品シリーズの二作目。
 今回は主にエレベーターの監視カメラによるもの。ある産業廃棄物処理業者から持ち込まれたという。またも警察から流出したという設定らしい。
 謎の真っ暗な地下階で突然止まったエレベーター。フロアから何かに引き込まれ、男性が窒息死する。

 本作もエレベーターという密室内で起こった怪異の恐怖を、やはりPOVという形で描いている。……が、前作ほどのインパクトも無ければ、エレベーターの性質上、同じような場面ばかり続いてしまって退屈に感じる。
 芝居もわざとらしさが目立ち、モキュメンタリー作品としてのリアリティを大きく損なっているのもマイナス点。ホラー要素の安っぽさもそれに拍車をかけている。
 結末に関しても、意外性などは何もない。単なるモキュメンタリー風ホラー以上の展開が何もなく、面白みに欠ける。怪しく見せていた伏線や登場人物も、怪異現象を持ちだしてもどうやっても上手く繋がってくれない。

 シリーズでどうしてこんなに作風が変わったのだろうと思ったら、監督がまったく違う人だったようで。

+クリックでネタバレ感想



遺物 未解決事件流出証拠検証記録 Vol.3 トンネルに消えた子供たち

(2010年公開 遠藤光貴監督) ★☆☆☆☆
《2015-08-06》   


都内にひっそりと存在する地下横断トンネル。このトンネルを通った子供たちが次々と行方不明になる。警察にも見捨てられた両親は、必死の捜索である真実に近づく。しかし、その時、その両親にも信じられない現象が起こり…。果たして、その映像が示すものは超常現象なのか、心霊現象なのか、猟奇事件なのか!?
(Amazon)

 フェイクドキュメンタリー作品シリーズの三作目。毎度のこと謎の韓国人資産家が現れる。
 今回の未解決事件は地下道の中で消えた子どもたちという題材。「ちひろちゃん」という子どもの霊が出るという噂の地下道。

 三作目の映像は地下道の入り口の監視カメラ、行方不明の子どもの父親のカメラから。確かに深夜の地下道は不気味で雰囲気が出ている。しかしなんだか映像がいやにクリア過ぎたり、妙に編集されていたりと、もうPOVという感じも既に無くなってしまっている。
 失踪した子どもたちの親にインタビューする映像にしても、手ブレから隠し撮りではないことがわかる。それでもまるでカメラなど無いかのようにやりとりをする登場人物たち。邪推かもしれないが、とりあえずPOVっぽく撮っとけばよいだろう的な意図が見えてしまう。
 隠し撮り映像にしても、前作・前々作のようにカバンに開けた穴越しだろうというような演出もなく、視界がめちゃくちゃクリアであるのも気になるところ。

 題材はいいのにホラーとしても怖くないし、オチもかなり強引。伏線も投げっぱなしなので、まったくすっきりしない。




ページのトップへ戻る