(GyaO)
2ちゃんねるで話題になったスレを実写化したオムニバスホラーの4弾。
「メリーさんの電話」
事故に対面した男がブログにその写真を載せたことから、物語は始まる。
あんまり2ちゃんのスレは関係ない、昔ながらのホラーエピソード。無理やり2ちゃん絡めてる感は否めない。メリーさんの声がめちゃくちゃ可愛い。
「書き込んだ相手に天罰が下るスレ」
わりと見ててマジキチ感のある実在するスレ。作中描写ではただ対象の名前を連呼してるだけで、実在するスレの方が狂気じみてて不気味感あるのでなんとも。
主人公の滑舌がすごく悪いし、オチもベタベタで丸わかりなのがなんとも。
「タルパ」
タルパはチベット密教のうんたらで、こう修行すると霊体というか、架空の精霊みたいなのを作り出す感じのやつ。その実験に主人公は参加する。
まあ、案の定出来上がったタルパは暴走する。ベタと見せかけて、少しだけ凝っていて好印象。しかしあんまり怖くない。オチも……うーんという出来。
「こわいものクラブ」
なんかえげつない映像を投稿するサイト「こわいものクラブ」に動画を投稿しようとする男女学生。ポイントの増減で、被害者になるか加害者になるか決まるとか云々。
設定自体はけっこう面白いし、ヒロインの女の子も可愛いものの、「まあ、そうだろうなぁ」とちょっと先が読めてしまったのが難。伏線も一応あったので、なんとも惜しい。
「瓢箪事件
」
古いアパートに引っ越した女性が、奇妙な現象に悩まされる。初っ端から彼女は行方不明になってしまう。
たしか元ネタは「今日結納したんだけどなんか質問ある?」で、それが乗っ取られて「瓢箪事件スレ」になったという面倒くさい経路がある。
「瓢箪事件」の新解釈というアプローチは評価するが、そうする必然性がほとんどない(そういうネタにしたところでいまいち意外性がない)というのが致命的。オチも面白く無い。
このシリーズ、全体的にチープな出来なのだが、まあ、見れなくはないかなといったところ。ホラー的な恐怖はほぼなし。大体がグロいメイクの幽霊がバーンと出てきて終わりのパターンなのがなんとも。
強いてベストを挙げるなら「こわいものクラブ」か。
2ちゃんねるの呪い VOL.5
(2011年公開 植田中監督) ☆☆☆☆☆
《2015-08-26》
2ちゃんねるのオカルト板で話題を集めたエピソードを完全映像化したホラー・オムニバス第5弾!【あらすじ】「電話 でろ」、「ヒサルキ」、「異世界に行く方法」、「ポストに変な手紙が入ってた」、「きさらぎ駅」の全5話を収録。
(GyaO)
主にオカ板で話題になった話をドラマ化したホラーオムニバスの第五弾。
「異世界に行く方法」
エレベータを使った異世界へ行く方法の話。題材はいいのに安っぽすぎる。ホラー描写も、メイクだけはいいものの演技もドラマも出来が良くない。
「きさらぎ駅」
これもある種の異世界もの。謎の駅、「きさらぎ駅」で降りてしまった少女の話。こんな話だっけ……?
「電話 でろ」
出会い系で出会ったメル友から変なメールが来る話。主人公の行動がわりと頭おかしくて見てられない。
「ヒサルキ」
ネットにおけるヒサルキの話題は結構多いが、これは一番ベタな動物が殺されるって話。パンを人の腕と間違えるとか無意味なホラー演出やめてくれよ……。ヒサルキである意味もほとんどない。
「ポストに変な手紙が入ってた」
元ネタは「rera」と書かれた変な手紙が入ってたという話。なんか今までの話と比較してわりとまともな作りになってる。入れられていたイラストも元ネタにそれなりに忠実。しかし面白いかといわれると微妙。なんでもかんでも幽霊と呪いに結びつけるのはなんでなんだ……。
ネタのチョイス自体はこの手のスレが好きな人にはたまらないものなのに、全体的に出来が悪い。脚本も演技も演出も微妙。ホラー描写でなんでもかんでも声にエフェクトかければいいと思っているのか……ほとんど音でビビらせようというワンパターンだし……。
効果音も間が抜けてるし、主人公が書き込むまでスレがまったく進まないとか細かい演出の雑さが気になる。
……それ以上に、演技がほとんど下手。セリフが棒読みもいいところ。学芸会みたい。子役が一番上手い気がする。
元ネタはいいのにまったく活きておらず、おもしろくない。
2ちゃんねるの呪い VOL.6
(2012年公開 森川圭監督) ★★★☆☆
《2015-09-01》
2ちゃんねるで話題を集めた恐怖スレッドを映像化したオムニバスホラーシリーズ第6弾。【あらすじ】「心霊は何故写真に映るのか」「彼女が霊感バリバリでヤバイ」「やってくる」「変な日記拾った」ほか、全5話を収録。
(GyaO)
2ちゃんの主にオカ板で話題になったネタを実写化したホラーオムニバスシリーズの6作目。
「心霊は何故写真に写るのか」
オカルト好きの少女が友人を驚かせようと肝試しをしようとするが……。
「やってくる」
子どもを堕ろした女性の元に遠くから子どもが走り寄る……。
「彼女が霊感バリバリでやばい」
合コンで知り合った彼女の霊感が強い話。
「変な日記拾った」
『変な日記拾った』というスレを見る女性……。
「ネットの呪い」
編集担当になった相手がオカ板民だった。
ホラーメイクはかなり手が込んでいて怖めなのだけど、どれもなぜか笑いを誘う。演者の問題か、演出の問題か、脚本の問題か……。演出が過剰過ぎるのかな。慎ましさが足りないというか、なんか理由はわからないが滑稽に見えてしまった。
あと脚本にしても、妙なちぐはぐさが気になる。時折「何がしたいんだこの人……」という意味の分からない部分がある。
とはいえ、全体的にスレの再現度は高め。前作のように棒読みもほとんどなくなり、ものによってはひねりを利かせているのもあるので、それなりには楽しめた。
2ちゃんねるの呪い 新劇場版・本危
(2012年公開 森川圭監督) ☆☆☆☆☆
《2015-09-06》
結香(鈴木まりや)は、街の小規模な不動産屋で働いていたが、ある日、どうもワケありの物件を扱うことに。その日を境に、彼女の周辺では不可解な現象がたびたび起きるようになる。ちょうど同じころ、彼女の同僚の雛乃(NATSUME)は、学生のころの友人たちと共にネットのホラーサイトで有名な廃虚に足を踏み入れ、そこで幽霊と遭遇していた。
(シネマトゥデイ)
オカルト板で起きた「本当に危ないところを見つけてしまった…」いわゆる倉敷蓋事件を劇場版にしたもの。元ネタは読みだすと一日がかりになるくらい長い。主演はAKBの鈴木まりや。
初っ端から、何かよくわからないものが蓋の中から出てきてげんなり。そもそも元ネタは、ホラーというよりはミステリー寄りなのだけど……。
端的に言ってしまうと、本作は「本危」とはまったく別の話。オリジナルの設定があまりにも多い……というか、最初に蓋が出てきただけで、それっきり30分過ぎるまで蓋のふの字も出てこない。もともとテキストベースで進められる住人たちの、疑心暗鬼と群像劇的なストーリーだったのでそのままでは脚本に起こせないとはいえ……この内容を「本当に危ないところを見つけてしまった…」と題して表に出すのは大いに問題がある。
正直、そうでなくてもストーリーがわりと無茶苦茶。登場人物……特に主人公の思考回路がよくわからず、少しも感情移入できないせいで物語を楽しめない。演技なのか撮り方が悪いのか……。ホラー演出にしても、ほぼすべて肌の灰色のメイクと野太い声で「ヴォー」という感じ。短編ならまだしも、一時間半近くの長編でこれを何度もやられると、つらいものがある。
オチに関しても綺麗にまとめようとして意味不明になってる。一見感動もののような雰囲気を醸し出してるが、シナリオ的に「いやいや、これで感動するのはありえないだろ……」となっている。そしてそもそも、終わってみると2ちゃんねるすら関係ない、ただの主人公の身内での話だコレ。
本危ファンはもちろんのこと、ホラーとしても映画としても微妙な出来なので、まったくオススメできない。