baseline和ホラー映画日和 ろ

 LOST~呪われた島~(2006) ☆☆☆☆
 LOFT ロフト(2006) ☆☆☆☆


LOST~呪われた島~

(2006年公開 山本清史監督) ★☆☆☆☆
《2015-09-03》   

[エロ][怪物][狂気]

誰も生きて帰れない……

鬼伝説の伝わる島に、小夜子、結衣、大地、由之の大学生4人組がゼミの課題のために訪れた。海辺で開放的な気分に浸る彼らだったが、案内役の梨花は、「人の生き血をすする鬼」の伝説を教える。その地に踏み込んだ彼らは、破られた鬼の封印におののくのであった。
(GyaO)

 鬼伝説の伝わる島を舞台に描くサバイバルホラー。OPが無駄にかっこいい。
 主人公のおっぱいの谷間が気になって、映画に集中できない。鬼の正体が序盤で明かされる。このあたりの設定は結構作りこみが出来ている。主人公の「違和感の気付き」のロジックもそれなりに面白い。登場人物は大学生だが、そんなに頭が悪くない感じ。ゼミで「鬼」について調べているという設定なだけある。
 役者は正直、上手いとは言えない……というか滑舌が悪い。演出も特別よいわけでもない。いまいち島での出来事って感じがしない。仲間のひとりが行方不明になり、途中の海域で事故が起きて帰りの船が来れなくなって、クローズドサークル化する。そこから仲間割れして……という流れ。まあまあ、正統派ではある。尺自体が一時間程度と短いので、それなりにテンポはよい。
 走ってるシーンで主人公のおっぱいがめちゃくちゃ揺れる。開いた胸元から、ばいんばいんと揺れる。閃乱カ◯ラかよ。
 物語後半から、謎の探偵が現れる。これはひょっとしてミステリなのか? 意外と筋は通っていた脚本だったように見えたが……。まあ、最後まで見てみると、やや強引ではあるものの、ロジック自体はかろうじて通ってはいる。ホラーの域は出ていないし、疑問を結構置き去りにしたままではあるが。
 ラストの大ネタは大方のお察し通りだが、その少し前の展開はすこしワクワクする。うーん、面白いわけではないけど、嫌いなネタではない。



LOFT ロフト

(2006年公開 黒沢清監督) ★★☆☆☆
《2017-07-16》   


スランプに陥り、執筆に専念するため担当編集者が用意した東京郊外の空家に引っ越して来た作家・春名礼子。森と沼と草原に囲まれて、ひっそりとたたずむその洋館の向かいには、大学の研修所だという不気味な建物があった。ある日、そこに出入りする男を見かけた礼子は、廃墟のようなその建物の中に魅入られたように近づいて行く。そこにいたのは考古学教授の吉岡誠。彼は、千年前に沼に落ち、泥の成分でミイラ化した女性をそこで極秘に保存していたのだ。それ以来、礼子の周りでは不思議な現象が多発し始める…。
(GyaO)

 蹲り咳き込む女性。口からは黒い泥のようなものが……。
 黒沢清を監督に据え、日韓合作のホラー映画。監督の作品は非常にわかりづらいが、本作はある意味ではわかりやすい方ではあると思う(というかほとんど見たまんまで納得できる)。……のだが、個人的にはあまり面白いとは思えなかった。
 この作品はホラーとサイコスリラーと恋愛映画という複数のジャンルがコロコロと入れ替わる。あるいは境界をうろうろする。その弊害か、どの要素としても中途半端になってしまっている。ホラーとしては別に怖くなく、恋愛映画としてはなんだかよくわからない話。サイコスリラー部分に関しては唯一、『その当人』の演技がなかなか面白いので楽しめた。
 引越し先の隣の廃墟のような建物と、死体と、中谷美紀という諸々の『負の美しさ』が合わさり、退廃的な雰囲気はよく出ている。その点は良い。





ページのトップへ戻る